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前歯のプラスチックの詰め物

2024年11月24日

先日ある患者様から、前歯の詰め物の色が気になるけど、どうにかならないかと言う相談を受けました。

この患者様はそもそも2年ほど矯正治療を行っていました。矯正治療の途中に前歯の虫歯がありいちど詰め物をしました。治療の途中で針金を1部外して詰め物をしたわけです。この際、歯と歯の間にできた虫歯に関しては、プラスチックタイプの部分的な詰め物、お口の中で直接材料を貼り付けるタイプのものでやりました。

この詰め物の治療が終わってから、約4年ほどが経ち、もう矯正治療も終わっているのですがプラスチックの色がだんだんなんとなく時間の経過とともに色が薄暗っぽいと言うことで、本人は気になると言うことでした。年齢も10代後半でそのようなことが特に気になる時期でもあるかと思いました。そして今回はこの歯と歯の間、2本の歯のプラスチックを一旦外し、新しい材料になおしました。

古くなっている材料を一通り外し中に新たな虫歯ができていないかをチェックし、なおかつ一旦その表面をほんの少しですが、いっそう削りました。新鮮面を出すためです。新鮮面を出してよりしっかり接着するようにするために処理を行っています。そして新しいプラシックをつけていきました。今回は特にサービスとして表面によりきれいに見えるためにセラミックタイプの直接くっつくハイブリットセラミックをくっつけてより自然感を出すように工夫をしました。この材料は以前はなかったもので、最近新しく入手して使っているものです。セラミック成分の配合量が高く、とても自然に見える、色がきれいに見える、そして耐摩耗性があると言うことです。

耐摩耗性という言葉はちょっとわかりにくい言葉なのですが、口の中に詰めるプラスチックタイプの詰め物はどうしても時間の変化とともに色が変色したり、ボソボソになったりしていくのです。これがプラスチックの弱点なのです。皆さんも日常でプラスチックの製品と言うものをいろんな場面で使っていると思いますが、例えばプラスチックのコップを毎日使って毎日洗っていればだんだんと擦れてきたり、だんだんざらざらの面が出てきたり、なんとなく色がくすんできたりと言うことを経験したことがあるのではないでしょうか。これはどうしてもプラスチックの宿命なのです。一方、ハイブリットタイプのセラミックと言うものは、このプラスチックの利点とセラミックの利点を両方を良いところ、利用しようと言うものなのです。費用は高いものですが、直接口の中で加工できると言う利点があります。ですので、今後用途が広がっていく将来性のある材料です。そして給水による変色が、今までのプラスチックタイプよりも少ないためにより長期間つるっとしていて、色も変色しにくく、きれいな状態が保たれやすいです。

ただ厳密に正確に言うと、セラミックを、口の外でかぶせものとして作り、それをはめ込むようなセラミックのかぶせもの、それよりは残念ながら劣るものではあります。口の外でしっかりと焼いたセラミックはやはり光沢や強度、吸水しないことなど、とても優れています。これが現状最高の材料です。

それに対してハイブリット型のセラミックは口の中で直接つけることが最大の利点ではありますが、どうしてもやや色の水や吸水が時間の変化とともに少しですが起きるので、定期的なクリーニングを確実に行い機械で時々磨いてもらうと言うことが長持ちさせるポイントとなってきます。簡単な例を挙げれば新車の車を買っても全く洗わなければだんだんと汚れていきますね。時々洗車したりワックスがけしたり、メンテナンスがあればそんなにボロボロになっていく事はなく、何年も十分にきれいな状態を持たせることが可能であると言うことです。

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