歳をとると老人臭い顔になると言う話があります。それは実は上下的な顔の長さが短くなっていると言うことです。上顎下顎の骨はだんだん痩せ、歯の本数がだんだん失われ、十分なボリュームのあったものが減っていくわけです。そうすると結果的には上下的な顔の長さが減っていき、若干上下的な長さが短くなります。そうするとだんだん老人臭い顔になっていくわけです。
この短くなっていくと言う事は1つには骨が痩せていっていると言うことです。そしてもう一つは筋肉が減っているためにだんだん縦の長さが短くなり老人臭い顔になっていくわけです。
そうなると入れ歯を作る際にある程度厚みのあるものを作れば老人臭い顔にはならないと言うことなのです。これは実はテクニックとしてどこにどれだけのボリュームをあえてわざと与えたほうがより見た目的にはいいだろうと言うことを考えて作っています。例えば上の前歯のあたりがだいぶ痩せていていたとしてもその辺の歯茎の部分か何かを厚めに入れ歯を作るわけです。そうするとややふっくらしたり顔の厚みが若干出るために、いかにも老人と言うよりはちょっと元気そうであったりちょっと若そうと言うとこを目指していけるわけです。
入れ歯の噛み合わせの高さに関しても今現状の筋肉より若干ちょっと無理をして背伸びをして1ミリ2ミリ高い噛み合わせを作っていったりします。それは噛み合わせがやはりどんどん低くなると老人臭い顔になって、いまいち貧相でみずぼらしいような表情になってしまうのを避けるためです。ただこれも1ミリ2ミリ程度であり本当なら1センチ位高さを増やして厚みを増やした方が良いより良い顔立ちに悪なるのではないかと言うこともあるのですが、それをやりすぎてしまうと人間のアダプタービリティ許容範囲を超えてしまい、使えない入れ歯となってしまいます。
実際問題この噛み合わせの高さがおかしいればと言うのは実はたくさんよく見ています。患者さんが入れ歯の調子が悪いとか言って医院に訪れることがあるのですが、その作られている入れ歯を見ると元々残っている歯と入れ歯では噛み合わせの高さがずれているためにこれでは入れ歯を入れてもおかしいことになってしまうなと言うものを時々見つけて調整しています。
このように入れ歯を作る際に噛み合わせの高さや全体的な入れ歯の厚みなどを様々な意味で調整しています。特に見た目であるとか筋肉のバランス、筋肉の強さなどを考慮し若干若くなるように目指してやっていくわけです。ただこれやりすぎると患者さんにとってはうまく噛めないと言うことになり、とにかく見た目を追うと言うわけにもいかないのです。
ちなみにインプラントの場合はこの高くしたり厚くしたりと言うのは実は難しいです、インプラントの場合にこの厚みや高さをよりボリューミーにしていくとお口の中でセラミックの歯がとても厚くて邪魔な感じがすると言われることがあります。ですのでその点に関しはインプラントはやや弱点であるともいえます