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Doctor dentist showing patient's teeth on X-ray

インプラント治療と縫合用の糸について

2023年6月4日

インプラント治療を行う上では様々な縫合をするために糸が使われています。先日、40代の女性の方から質問がありました。それは、糸で縫うのに吸収する後から取らなくて良い糸でやる事はできませんか?と言うお話でした。

結論から言いますと歯科のインプラント治療において吸収タイプの糸を使う事はほとんどありません、吸収タイプの糸を使う場合は歯茎の表面を縫っているのではなく、もうこの先開けないであろう場所、切って開けたりしない場所を縫う場合です。ですのでそのような状況はインプラント治療ではあまり起こる事は少ないです。

インプラントの治療で糸を使う場合には主に2種類の糸が使われています。その2種類の糸とはナイロン製と絹糸製です。この両者はどちらもインプラントの手術が終わって1、2週間ほどしてからこの抜糸すると言う作業がきます。この抜糸の作業に関してはそんなに痛くは無いのですがやはり多少チクっとするので患者さんによってはちょっと気になったりするのかなと考えられます。ですが、吸収タイプの糸は通常の糸よりとても高価なものであり、そこに費用をかけると言う事はあまりなく、またそれよりも優れた点がある糸が先程のナイロン、絹糸ですのでそちらを普通は選択しておこないます。

それぞれの意図の特徴などをお伝えしていきたいと思います。まずナイロンですが、ナイロンはまぁ皆さん何となく聞いたことがあると思いますが、人工的に作られた化学物質でありその最大の特徴はつるっとしているために菌が繁殖しにくいと言うことです。お口の中を糸で縫っていてその糸が存在しているわけです。そこの歯茎は小さな穴が空いてるわけですから、その糸の周りで菌が繁殖したりすれば傷口が腫れたりなど感染したり様々なリスクがあるわけですが、このナイロン糸の場合は菌を繁殖させることがないので非常に口腔衛生状態がきれいに保たれ歯茎がきれいに安全に治りやすいと言うとても都合の良いものなのです。一方で若干の弱点があり、このナイロンは行って見ればとても柔らかいプラスチックのようなものですから。使う際にちょっとくにくにしていて扱いにくいのです、ドクターにしてみれば。

次に絹糸について。絹糸は昔からよく使われている糸でありこの糸の良い点はしっかりと力をぐっとしめていくことができる、その術者がどの程度力強くそれを引っ張って締め上げたいのかと言う力のコントロールがとてもしやすいです。ゆるくわざと結びたい時、逆に強く結びたい時、それぞれ力のかけ具合がコントロールがとてもしやすいです。ですので現在、口腔外科ではとてもよく使われている糸の1つです。そしてこれは皆さんが通常に普段裁縫などする人にはわかると思いますが、大体好きなような形に自由にコントロールしやすくて、あっちに行ったりこっちに行ったり遊んだりしないので作業をする際にとても自分の思い通りに動かしやすいと言うそのような手技的な便利さもあります。

ただ重要な弱点があります。これは非常に問題の弱点です。それは絹糸は細菌をどうしても繁殖させる可能性があると言うことです。絹糸は織ってあるわけですので、まさに糸であり織物ですから、そな織りの中にどうしても菌が入り込んで繁殖ししまう可能性があるのです。ですからどうしても菌が繁殖する危険があるような時にこれを使う事はちょっと厳しいです。

今世界的にはインプラントの治療の場合にはかなりの割合でナイロンが使われています。それはやはり感染を防ぐと言うことです。菌がお口の中で繁殖してしまうリスクを避けたいために多少使いにくくてもナイロンを使いより安全性を重視していると言う選択になっています。

ちなみにナイロンと絹糸のお互いの良いところをミックスさせた特殊な糸があります。これは人工的に作られた糸なのですが、表面は菌を繁殖させない一方で、結んだときに強く縛るか弱く縛るかコントロールしやすくなっていると言う、いいとこ取りのものが実はあります。この糸はとても高価であるために必ずしもそんなに汎用されているわけではありません。

結論的に言えることとしてはその先生が慣れている糸を使うと言うことになるかと思います。ナイロンに慣れている人はナイロンをうまく使いこなしますし、絹糸に慣れている人は絹糸をうまく使いこなして手術の計画を考えます。

最後に私個人は昔は絹糸を使っていました。それはやはり力のコントロールが非常にしやすく糸を抜くにも安全に確実に取りやすいと言う利便性があったからです。ですが現在ではナイロンを多用しています。絹糸を使う場合はどうしてもその手術部位がナイロンで保護するには難しい場合に限っています。それぞれの良さを考えて使うのですがそうなるとほとんどの場合はナイロンを使うという使い方になっています。

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