インプラント治療を受けてしばらくずっと大丈夫なんですが急に悪くなったりする方がいます。それは実際に私自身何度も見ていることなのですが、5年10年と全く問題なくずっと良好な経過をたどっていて、ある時突然急にインプラントがぐらぐらしたり全体的にどのはもどんどん悪くなっていく、そのような患者さんに遭遇することがあります。
この方はメンテナンスも普通に受けているわけです。
メンテナンスを受けていても急激に悪くなる方がおりますそれはどのような場合でしょうか?それは全身疾患に大きな変化があった場合が1番多いです。例えば悪性腫瘍の癌などがその典型的な例です。また血液の病気など、糖尿病が大きく悪化しているなど、実は骨粗しょう症が進んでいた、などが考えられます。私が今まで多くの方をメンテナンスで確認してきた際に、急激に悪くなってる方を見ることがありますが、その場合残念ながらもうインプラントがグラグラしていて、あるいは抜けていると言うの方も見てきました。
そのような場合は大抵の場合悪性腫瘍等でもう既に大きな病院で通院加療してるような状況が多いです。これは急激に体の様々な状態が変化しているために骨も一気に悪くなっていくため歯及びインプラントも周りの骨が踏ん張れずどんどん悪くなって抜けていくと言うことがあったりするからです。
ちなみにこのようなことが起きるから、じゃぁインプラントやらないほうがいいのかと言う質問を受けることがありますが、それは私はそのように考えていません。健康である今、できる限り良質な生活を送って楽しむと言うことです、そしていつかどんな人も何らかの病気にはなって体が悪くなったりする可能性があるわけですね。けどそれがいつ来るかはわからないんです。
よく、「もう自分は寿命が短いから」などと言ってインプラント治療はいいと言う方がいますが、それは長生きするからやったほうがいい、残りの人生はもう寿命が短いからやらないほうがいいと言う単純な話ではないと私は思っています。もし仮にあと何年生きるのかと言う事は誰にもわからないのですが、確定的にあと1年とかって言うことがわかっていれば確かにやらないと言う選択もあるかもしれません。しかしあと1年だからこそ少しでも快適な生活をしようと思ってやると言うのも選択でこれはよくよく考えてみないと何が正解なのかわからないと思います。
また治療と言うのは様々な選択があるわけでインフォームドチョイスと言う言葉があります。インプラントにする方もいるし、入れ歯にする方もいるし様々です。どれが正しいとか間違っているとかではなく、自分がどのように生きていきたいかと言うことだと思います。そして私たちはその人がどうしていきたいのかと言うことをよく聞いてアドバイスをしています。例えば80代の方がインプラントをしたいと希望してくる場合が、実は結構あります。このような場合その患者様は自分1人で普通に歩いて通院している場合はまずもってやった方が良いであろうと判断し全身の体の状態を充分確認した上で進めていく場合が多いです。
これから人生100年時代と言われますが、女性を見るに実に元気な方が多く確かに100年元気に楽しんで生きていくのではないかなぁと言う感じがします。一方男性はどうでしょうか?統計的には確かに男性の方が寿命はやや短めですよね。
ですので100年時代といっても女性よりは若干短いのかもしれません。また同じ80歳の女性と男性を連れてくると、女性の方が元気で男性の方がやや動きが緩慢であると言う事は確かにあるように思います。ですが80歳でも全然元気に動いている方も見えます。そのような方に普段どうしているかって言うことを聞くとやはり、ちょっとばかり仕事をしていたり、いつも外を出歩くようにしていたり、運動をするようにしていたりです。何より自分自身でボケないために外に出かけるようにしたり人と関わりを持つように積極的に出来る限り外に関わっていこうとしていると言うことを感じ取れます。ですので男性の方はぜひとも頑張って運動して外に出て欲しいなと思います。
歯科医学的に言えばやはり、噛み合わせをしっかり加工し、それがインプラントであれ入れ歯であれ、そして外でおいしいものをたまには食べに行ったりして楽しく生活することだと思います。やはりなかなか体が疲れてきてたくさん動くと大変なのかもしれません。
しかしちょっとお昼にどこかでご飯を食べに行くとか、夕方にちょっとだけ喫茶店に寄るとか、いろいろなことが考えられると思います。私の個人的な意見は病気になることに対する心配もある程度は必要かもしれませんが、多かれ少なかれ病気とは必ず付き合わなければなりません。ですので日々少しでも楽しく活動すると言うことをぜひ頑張っていただきたいなと思っています。おいしいものを食べて1日1日その時その時はぜひ遊んでほしいです。