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Little girl brushing her teeth with electric toothbrush in bathr

学校検診と歯並びについて

2023年6月18日

こんにちは、私は時々小学校へ学校検診に行っています。

学校検診について

学校検診は、子供たちがお口の中に虫歯ができていないかと言うことを見たりしているわけです。保健室で1クラスずつ大勢の子供を順番に見ていきます。

最近では虫歯が多発してるような子は少ないです。予防がかなり普及してきているからだと思いますし、また多くの子供たちが虫歯のあるないにかかわらず、定期的な予防処置を歯科医院にて受けて、フッ素を塗ったりなどの安全処置を行っているからであると思われます。

一方で歯並び噛み合わせに関してはかなり問題があるなぁといつも感じています。歯並び噛み合わせが悪いことを不正咬合などと専門用語では言います。不正咬合は治療が必要でありそれは具体的には矯正治療をすると言うことです。

学校検診では歯並びが曲がっていたりするとそれをチェックしたりしていますが、人それぞれ程度の差があり、また虫歯とは違い必ず治療しなければいけないと言う診断をしているわけではありません。

検診は医療の診断ではない

すなわち、検診と言うのは医療の診断をしているわけではないのです。スクリーニングです。可能性のある子供をもしかしたら悪いかもしれませんよと言うことを伝えると言う役割です。

そして病院に行った方が良いかもしれませんねと言う旨の紙を学校から保護者の方へ渡していくわけです。ですが多くの保護者の方は、学校でこの検診の上でチェックの入った紙をもらうとなぜか必ず治療しなければいけないのではないかと思っている方もいるのです。

そうではなく学校で検診を受けた結果にかかわらず、普段歯科医院に行っている際に治療を受けた方が良いと言われた場合には治療すべきだと思ってほしいです。かかりつけ医が見ている方がより個別に状況を見ているのです。学校検診は集団検診ですので正確な情報が必ずしも把握はできるわけではないです、難しいです。ですが1つの医院でその患者さんを見ているのは子供の場合はそのパーソナリティーなどを含めたどうすることが良いのかと言うことを総合的に見ていますからそこでのアドバイスを重要視してください。

親御さんはぜひとも自分でかかりつけ医に子供を連れて行ってほしい

これは日本の慣習的な感覚なのかもしれませんが、学校など公で言われた事は一生懸命従う、そして学校から言われたからとりあえず何とか対応しておかないと自分の子供の評価が下がるのではないか?と言う勘違いをしている可能性があります。学校はこの検診を行っているのはそれは文科省からルールとして決められているからやっていると言うことがもうそもそもあるのです。当然健康のために子供たちを安全に見守ると言う意味ではあるのですが、学校は一人ひとりの健康をそこまで責任もって見る事は難しいのです。

ですから親御さんはぜひとも自分でかかりつけ医に子供を連れて行きそこで経過をしっかり見てもらうと言うことを意識してほしいです。

私自身自分の医院で保護者の方から学校で紙をもらった、この紙には虫歯があると書いてあるから治療してくれと言ってきます、そのような場合レーザーを用いて虫歯の深さが本当に深くて治療する必要があるのか、単に表面がちょっと黒っぽくなっているだけで溝が深いだけで削る必要がないのかを判断する場合があります、そうすると溝が深いような子の場合はどうしても集団検診では虫歯かもしれないと言うことでチェックが入ってしまうのです。

ですがこの永久歯を早い段階で削ってしまうのはもったいないのです。むしろそのまま黒い溝を残しておいて予防し続けていく方がよっぽど歯が長持ちする、このようなケースはとても多いです。そしてこれは学校検診をした歯科医師が間違っているわけでもなく、スクリーニングと言うシステム上をこのような事はどうしても起きてしまうのです。

ですからこの辺の解釈をしっかりとしてほしいです。学校の保険の先生などもあくまでもこれは検診ですからと言うことを一生懸命伝えているようですが、どうしても医者が見たと言うことでそれが医療行為そのものであるかのように誤解されて、どうしても伝わってしまっているようです。