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歯科衛生士のクリーニングの価値

2023年7月27日

歯を予防しいくためにはクリーニングの処置を受ける事はとても大切であると考えます。歯科衛生士によるクリーニングはとても効果が高いです。この予防処置を受けるのに大体いくらぐらいかかるのでしょうか?その人のお口の状態であるとか残っている歯の状態など様々な条件によって金額が違ってくると思いますが、大体おおよその目安を言いますと2000円から3000円位ではないかと思われます。

もちろん薬代が別途発生したりレントゲン代があったりと必ずしも一様ではありません。この金額は保険診療でクリーニングをやった場合の話ですので、もしこれを保険外すなわち自費診療でやった場合にはもっと高くなる場合もあるかと思います。そのような場合には例えば10,000円とか20,000円とかそのような額ではないでしょうか。そのような金額を支払ってもらい予防処置を行っている歯科衛生士の方もいます。ちなみに当院では予防処置が大抵の場合は保険で行っていますが、ごくまれに自費治療で行っている方がいます。

さて、以前勤めていた歯科衛生士の方でこのような金額ではとても自分のやっている内容と比較して割に合わないと言って辞めていった方がいました。こんだけ大変なことをしてこの程度ですか、と言われました。これは人それぞれ考え方や価値観などいろいろあるので一概に何が正しいと言うことを言うのは難しいかと思いますが、現状、日本の保険制度では大体2 、3000円位が相場といったところでしょうか。

また患者さんからしてみればそれが3、4ヶ月に1度位であればまぁいいかなぁと思うかもしれませんし、もしとても歯が悪いとして歯茎からよく血も出るからと言うことで頻繁にその処置を受ける必要があり毎月2 、3000円位かかるとなればちょっと高いかなと思う人もいるでしょう。例えばあなたは美容院や床屋に行くんではないかと思うのですが、もし仮に美容院で2か月に1度行ったとして1回の費用が10,000円から20,000円位だったとしたらどうでしょうか?まぁそんなもんだと思う方もいれば、ちょっと高いかなと思う人もいると思います。また逆に、いや私は20,000 円30,000円かかってももっとツルツルにして、ダメージをとってピカピカにしてくれるなら気合入れてがんばりたいと思っている人もいるでしょう。その人の価値観によってだいぶ違ってくると思います。

私の個人的な見解を言いますと歯のメンテナンスである程度2 、3000円程度の費用がかかるのはまぁ今の現状で考えれば、日本では普通ではないかと思います。海外ではもっとかかっています。ちなみに日本よりも途上国と言われるような国でももっと高い費用がかかっているのです。そしてある程度安定してくれば3、4ヶ月でも大丈夫になってきます。

また歯の本数がある程度ある人ならそこまで焦らないかもしれませんが、歯がだんだんと悪くなり本数を減らした人にとってみれば1本でも多く残したいし、それを長くなんとか持たせたいと切に願っていますので、毎月3000円かかったとしてもそれで長持ちするならとても安いと考えている人たちもいます。来月も必ず行きたいと言って帰っていく患者さんも、特に高齢者には多いです。

皆さんによく考えて欲しいこととしては本当に高い技術、特に医療と言うのはかなり高い技術だと私は考えています。専門の学校に少なくとも3年とか4年、歯科医師によっては6年そして研修医も含めると7年8年と言う長きにわたる研修をしてようやく現場に出ているわけです。このような方の人件費が安いと言う事はちょっと考えにくいです。通常たぶん大学4年行ったりすると思うのですが、その倍近い期間を勉強しているわけです。そして資格を取った後もさらになおかつ勉強もするし、研鑽もします、日々。

今当院に勤めている方、国家資格を持ってない人でも年3回、勉強をしてもらっています。年に数回研修会にも参加してもらいます。院内でも講師を読んだりして2ヶ月に一回は少なくとも研修を受けてもらっています。医療と言うものは最低限以上の教育をして初めて医療ですから、どこまでも安く切り取ってコストカットと言う事はちょっとないことだと思います。やはりできるかぎり良いものを出して人に長生きしてもらうと言う素晴らしさを目指しています。医療サービスと言うのはそもそも割高になってしまう要素のあるものであると思います。

Little girl brushing her teeth with electric toothbrush in bathr

学校検診と歯並びについて

2023年6月18日

こんにちは、私は時々小学校へ学校検診に行っています。

学校検診について

学校検診は、子供たちがお口の中に虫歯ができていないかと言うことを見たりしているわけです。保健室で1クラスずつ大勢の子供を順番に見ていきます。

最近では虫歯が多発してるような子は少ないです。予防がかなり普及してきているからだと思いますし、また多くの子供たちが虫歯のあるないにかかわらず、定期的な予防処置を歯科医院にて受けて、フッ素を塗ったりなどの安全処置を行っているからであると思われます。

一方で歯並び噛み合わせに関してはかなり問題があるなぁといつも感じています。歯並び噛み合わせが悪いことを不正咬合などと専門用語では言います。不正咬合は治療が必要でありそれは具体的には矯正治療をすると言うことです。

学校検診では歯並びが曲がっていたりするとそれをチェックしたりしていますが、人それぞれ程度の差があり、また虫歯とは違い必ず治療しなければいけないと言う診断をしているわけではありません。

検診は医療の診断ではない

すなわち、検診と言うのは医療の診断をしているわけではないのです。スクリーニングです。可能性のある子供をもしかしたら悪いかもしれませんよと言うことを伝えると言う役割です。

そして病院に行った方が良いかもしれませんねと言う旨の紙を学校から保護者の方へ渡していくわけです。ですが多くの保護者の方は、学校でこの検診の上でチェックの入った紙をもらうとなぜか必ず治療しなければいけないのではないかと思っている方もいるのです。

そうではなく学校で検診を受けた結果にかかわらず、普段歯科医院に行っている際に治療を受けた方が良いと言われた場合には治療すべきだと思ってほしいです。かかりつけ医が見ている方がより個別に状況を見ているのです。学校検診は集団検診ですので正確な情報が必ずしも把握はできるわけではないです、難しいです。ですが1つの医院でその患者さんを見ているのは子供の場合はそのパーソナリティーなどを含めたどうすることが良いのかと言うことを総合的に見ていますからそこでのアドバイスを重要視してください。

親御さんはぜひとも自分でかかりつけ医に子供を連れて行ってほしい

これは日本の慣習的な感覚なのかもしれませんが、学校など公で言われた事は一生懸命従う、そして学校から言われたからとりあえず何とか対応しておかないと自分の子供の評価が下がるのではないか?と言う勘違いをしている可能性があります。学校はこの検診を行っているのはそれは文科省からルールとして決められているからやっていると言うことがもうそもそもあるのです。当然健康のために子供たちを安全に見守ると言う意味ではあるのですが、学校は一人ひとりの健康をそこまで責任もって見る事は難しいのです。

ですから親御さんはぜひとも自分でかかりつけ医に子供を連れて行きそこで経過をしっかり見てもらうと言うことを意識してほしいです。

私自身自分の医院で保護者の方から学校で紙をもらった、この紙には虫歯があると書いてあるから治療してくれと言ってきます、そのような場合レーザーを用いて虫歯の深さが本当に深くて治療する必要があるのか、単に表面がちょっと黒っぽくなっているだけで溝が深いだけで削る必要がないのかを判断する場合があります、そうすると溝が深いような子の場合はどうしても集団検診では虫歯かもしれないと言うことでチェックが入ってしまうのです。

ですがこの永久歯を早い段階で削ってしまうのはもったいないのです。むしろそのまま黒い溝を残しておいて予防し続けていく方がよっぽど歯が長持ちする、このようなケースはとても多いです。そしてこれは学校検診をした歯科医師が間違っているわけでもなく、スクリーニングと言うシステム上をこのような事はどうしても起きてしまうのです。

ですからこの辺の解釈をしっかりとしてほしいです。学校の保険の先生などもあくまでもこれは検診ですからと言うことを一生懸命伝えているようですが、どうしても医者が見たと言うことでそれが医療行為そのものであるかのように誤解されて、どうしても伝わってしまっているようです。