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小児矯正と装置の装着時間

2023年11月2日

小児矯正において、様々な装置がありますが、今回はマイオブレースという装置に関してどれくらい入れているべきなのかと言う話をしたいと思います。そもそも小児矯正の装置でも取り外し方であるにもかかわらず、24時間ほぼ入れていた方が良いという装置は結構あります。

例えば、上顎や下顎を単独で横方向にカーブを広げるような装置の場合は、24時間入れて1週間にいっぺんなどネジをまわして拡大していくという使い方が一般的です。この装置の使い方の問題点としては、小学校に行っても常につけていなければならない、そしてその管理を子供が十分に果たして行えるか、と言うことです。しかし取り外し型ですので、逆に口の外に出した状態で、親がそれを掃除したりちゃんと入っているかを確認したりなどもできると言う意味では利点ですし、また何かあった際に痛いからとりあえず外そうということもできるわけです。

さて今回私が特に医院で使っているお勧めの装置はマイオブレースです。この装置の装着時間は子供が学校から帰ってきてから寝るまでの間に1時間入れるのが基本です。そして夜間寝ているときに入れているという使い方なのです。すなわち学校へは入れないで行くのです。そう言うと、保護者の方の中には昼間ほとんど入れてないのに大丈夫なんですか?と聞いてくる方もいます、そうなんです。学校には入れて行かないのです。それはそれなりに意味があってそうなっています。

このマイオブレースは歯や口の周りの骨を直接的に動かすために作用しているわけではなく、口の周りの筋肉や筋肉の動き、特に舌の動きなど、そういった環境を形作っている要素を正しい位置に覚え込ませるための装置です、のでずっと入れていたのでは逆に意味がないのです。まず学校から帰ってからの1時間、これは本人が意識してきちっと入れて口も閉じます。鼻で息もします。そうすると自分でこうしなければいけないんだということを感じながら使うわけです。まさに自分で感じながら筋肉トレーニングしています。

次に夜寝るときに入れるのは、最初寝る前はちゃんと口を閉じなきゃいけないとか、舌の位置は上顎につけておくべきであるとかを意識していますが、だんだん眠っている間は無意識の状態になるわけで、その無意識の時に、正しい筋肉の使い方ができるかどうかの練習をしているわけです。

無意識の状態でも、正しい筋肉の動きが習慣化するかどうかのトレーニングを約8時間から10時間位の睡眠中に行うわけです。そして学校に行くときには外していますから、装置を入れない状態でも口を閉じる、鼻で息をする、舌は上顎につけるという正しい筋肉の動きができるのか、このような3つのパターンの繰り返すことによって、最終的には無意識の中で正しい筋肉の動きができるようにということを覚えて、体に覚え込ませるわけです。

ですから入れる、入れないというこの繰り返しには深い意味があります。意識しながら入れる、意識しないまま入れる、この起きている時と寝ている時、この2種類の使い分けも意味があります。単にぐいぐいと押して何とか歯を並べようというそういうような考え方では無いのです。

ですので、マイオブレースを患者さんに入れてもらうわけですが、毎日起きている時間、学校から帰ってきてから寝るまでの間1時間この装置をしっかり使うことが大事です。装置をしっかり使うことが大事でかつ、口を閉じる、鼻で息をする、など。

また、小学校1、2年生位であれば1時間で良いでしょう。しかし、状況に応じては4年生5年生6年生でもこの装置を使う場合があります。このような場合は2時間入れておく必要がある場合もあります。特にスタート時期が遅かった場合、成長の余地が減っていますので、起きている時間に多めに使っていただくということになる場合があるのです。これはどのような時期にどのような程度かによってだいぶこちらのアドバイスも変わってきます。患者さん一人ひとりによって違いますが、1つの目安としてご理解ください。

また何ヶ月もやっていまいち成果が出ない人もいます。これは研究の上ではっきりわかっていることなのですが、しっかりとやっていない、ただしく使っていない、ということです。よって結果が出ないという事はないです。何らかの変化が起きます。全く変化がないとなると、こちらのいった正しいやり方をしていない、もっと言えば、子供がサボって真面目に取り組んでいないと言うことです。

このような場合は別の装置を新たに用意して、別途費用がかかり、さらに治療を進めていくような場合もあります。

ですが、別の装置ではなく、まずは第一せんたくのマイオブレースをおすすめします。健康な体を作るためにもなるからです。

子供の気道の大きさ、広がり

2023年10月15日

今最近のトレンドとして小児科の学会では、子供の無呼吸症に関しての話題があります。世界的に小児が夜寝ているときに、どのような状況になっているのかと言う研究が進んでいます。

さてあなたは無呼吸症候群と言う言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?これは一般的には大人、特に成人40代以上の男性に多いと言われたりしています。ですので、子供と一見関係がない話のように思うかもしれません。この無呼吸症候群の大変重要な問題はいくつかありまして、例えば有名なものでは、新幹線の運転手が突然寝ていて、大事故につながりかねないようなインシデントが起きたと言うことがありました。これは何もその運転手が前の日にお酒を飲んで、体調が悪いのにもかかわらず、出勤したと言うことでは無いのです、突然、呼吸が止まったりして意識がなくなってしまうような病気があるということが当時あまりよくわかっていなかったのです。

現在では無呼吸症候群という病気に関してはかなり有名になってきており、一般的な内科、整形外科、呼吸器内科などで対応が行われています。具体的にはその人の睡眠の質を測る簡易的な装置があり、それを体につけて夜一度寝てもらい計測すると言うものです。その機械をもう一度クリニックへ持っていき、それを分析するわけです。そうすると夜知らない間に呼吸を止まっている時間や回数がわかるわけです。それが一定以上ひどい場合には重度であると診断されます。

そのような場合には精密検査を行い、実際に入院施設のあるところでより精度の高い機械を体につけて、どのような睡眠になっているかを正確に測ります。その症状によって無呼吸症用のマウスピースを使ったり、場合によってはシーパップと言われる、酸素マスクのようなものを夜寝るときには常に毎日つけるようにと言うふうに主治医から指導があります。ちなみに無呼吸症のマウスピースは歯科医院で作るものです。当院でもいくつかいろんな方に作ってきていますが、これはこれで様々な問題が現状あります。

さて、話を戻しますが、子供の無呼吸症と言うものが、実はないと思われていたのですが、小児科学会では、そうではなく、それに近いことが子供たちの間でも、すでに小さい頃からその前駆体として起こっているということが警鐘されています。

すなわち、子供の睡眠の質が悪いということです。夜ぐっすり眠れていない。もう少し正確に言うと普段日中、口を開けて口で息をしている、鼻が詰まっている、夜寝るときに口を開けて寝る時間がとても多い、質の良い質問は睡眠は取れていない。ここで口を開けて寝ている事の問題点と無呼吸症の関係性に関して、子供でどのようなことが起きているのかをもう少し深掘りしていきたいと思います。

口を開けている子の場合、大抵の場合、舌の位置があまり良くない場所にあり、喉の奥のほうに下がっていると気道を狭くしてしまうのです。小さい頃から気道が狭いような状態になっている子が多いと言うことなのです。この舌の位置が良くないというのは、1つには母乳を飲んでいないまま人工乳で、哺乳瓶などで育ったために舌の正しい位置が習慣化されていない、また多くの大人が実際問題口呼吸しているシーンが多く、そのため子供もなんとなく口を開けて生活をしている。また周りの親も口を開けている、ぽかんとした姿がかわいいと言うふうにして賞賛して間違った状況が起きている。子供は、口を開けて口で息をしていて、舌の本来の位置にないため、気道がどんどん狭くなっている、気道が狭いために良質な睡眠は取れないと言うことです。

さらに実は気道と言うのは、子供の頃からよくそこに空気が通るような状況があれば、気道もそれなりに広がっていくのではないかと言うことが言われています。ですから、小さいうちから口を閉じる、舌が正しい位置にあると言うことができていれば、より良い気道の広さになり、将来において無呼吸症候群の予備軍にはならないで済むということなのです。

気道は拡大して成長していく可能性があるのです。子供の場合、命を落とすような無呼吸になる事は今のところ無いようですが、脳に充分な酸素がいってなく、それが発達障害の原因となり、脳の状態と密接な関係があると言う報告がなされています。すなわち、成長期において、どれだけしっかり酸素が脳にいっているかと言う事は重要です。

Morning routine, smiling happy child brushing teeth with toothbrush. Dental hygiene of little boy, medical care.

歯の生えかわりのスピードは個人差が大きい。

2023年10月12日

人の歯の生えかわりは、人によってスピードに差があります、どれくらい生え変わったら矯正治療を始めた方が良いのか?という質問もよく受けます。

それは前歯がオトナの歯に数本出ていて、6歳臼歯と言われる奥歯が出ているような状態です。
この年齢は大体6歳前後の状態で小学校1年生位です。ちなみにどこが最初にオトナの歯になってでてくるのか、順番に関しても勘違いしている方が多いので、少しふれます。下の一番前の歯、もしくは奥の6歳臼歯です。これらはどこが先かはバラバラです。

話を戻して、人によってはもう5歳位に生え変わりが進み、そうなっている人(4本くらいオトナの歯がでている状態)もいますし、逆に8歳になってようやくこのような状態になっていると言う人もいます。

そうなると8歳9歳になってからでもスタート時期としては正しいのかと言うことになりますが、ここには重要なディスカッションポイントがあります。歯の生えかわりがいくら遅いといっても、その子は小学校3年生になっているわけです。そうすると自分の周りの社会環境が変わっているわけです。すなわち1年生の状況と3年生の状況ではだいぶ状況が変わり、様々な刺激、周りの人の行動、周りの同級生の考え方、行動に影響を受ける状況になっていますので、精神年齢がだいぶ上がっているわけです。そうなるとマイオブレース矯正治療を始める年齢としてはちょっと遅いと言うことになる可能性が高いです。精神年齢が上がると言うのはちょっとわかりにくい話ですが、この矯正治療法で教えている事はある意味特殊ですので、子供が疑問を持たずに、素直に大人の指導を聞けるような状態が確保できているか、と言うことなのです。そうすると、大人の言葉をよく理解でき、かつ受け入れやすい状態と言うことでない。また、骨の成長や顎の筋肉の変化、様々な体の特徴も加味して6歳からと言うことになっています

私はこのコラムにて何度となく、マイオブレース矯正治療がとても良い方法の1つであると言うことをお伝えしています。すなわち6歳から8歳位の約2年間で針金等複雑な装置を使わずに済む。1本1本の歯にインビザラインのような歯を直接力を加えてしまい、痛める可能性のあることを一切しない、かつ、筋肉や呼吸のバランスを良くしてより健康的になる方法である。この治療法が最も優れた方法であると言うことを伝えてきています。

特に腹式呼吸が自然とできるような体になっている事は、生涯にわたって、健康度が極めて高いので、ぜひともそうなって欲しいのです。また、顎の周りの筋肉、唇の周りの筋肉が良い状態になっていれば、生涯にわたって顎のズレも起こりにくく、口元も常にきれいな顔立ちをキープしやすいです。このような総合的な理由から一押しなのです。

ですが、時期が6歳から8歳がベストであるにもかかわらず、歯の生えかわりは6歳位でちょうどスタートと言うわけにもいかない子が中にはいると言うことをお伝えしたいのです。マイオブレースと言うシリコンでできた装具を使って筋肉や呼吸の練習をするのですが、この装具を入れる際に、永久歯が全く入っていない、となるとやや安定感が弱いのです。ですので、先ほど述べた8歳9歳位になって、ようやく大人の歯が4本ぐらい出てきたと言う人の場合スタートが遅いのです。ここが生えかわりのスピードに関して私が気にしている点です。

もし生え代わりが早く5歳からスタート。これはあまり問題がありません。早くやるだけのことです。ですがなかなか歯が生えかわらずスタートが遅くなってしまうと、十分な成果が出ないと言うことなのです。もちろん8歳になってからやったからダメと言う事は決してありません。ただ正確にお伝えすると6歳すなわち小学校1年生からスタートすれば1年生2年生の2年間で治療が終了するのが多いのです。後はアフターフォローです。が、これが2年生3年生スタートとだんだん遅くなると効率としては、80% 70%とだんだん成果が落ちていくことがあるからです。

The person in the closeup is smiling and has white teeth, indicating they have good dental hygiene. The aquiline nose is a prominent feature, as is the high level of detail in the face. It is clear that the person has had some sort of facial implants, most likely to improve their appearance. The dog in the background is also in profile, and its breed is unclear.

アインシュタインの名言と歯科治療

2023年10月1日

あなたはアインシュタインを知っていると思います。かの有名な物理学者です。アインシュタインは数々の名言を残していますが、この天才的な相対性理論で有名な学者です。物理学者ほどの方が、人が幸福になるために大切なこととして1つの要素を伝えています、それは、なんと、口を閉じて呼吸すること、と言っているのです。アインシュタインは医者ではありません。希代の天才と言われた方が、様々な人生の経験の中で、そのようなことを結論づけたのだと想像しています。

我々歯科医師からしてみれば、これは非常に本質をついた一言であると捉えています。呼吸をどのようにするかによって人生は大きく変わると思います。もしその人が一生口を開けて口で息をするのか、もしくは口を閉じて鼻で息をするのか?これを想像してみたら結論は簡単だと思います。あなたもおそらく感じると思います、毎日毎日ずっと口を開けていたら、喉が枯れて体がおかしくなりそう、そう思いますよね。さすがに毎日ずっと口を開けて息をしつけている人は少ないように思いますが、どうでしょうか。実際にはよく周りを見ていると、なんとなく口が開いてゼーゼー言っている人っていますよね。そうなんです。現代人は結構習慣的に口を開けて口呼吸になっている方が多々見受けられるのです。そして意外にも長い時間1日の多くの時間を口呼吸しているのです。非常に危険なことです。

特に子供です。子供の時から、具体的には一歳、ニ歳そのような歳の頃からずっと口呼吸をしていて、これはとても危険なことです。ですが、不思議な位なぜかそのようなお子さんを見ます。それは1つにまず、一般の方が口呼吸は良くないと言うことをよく理解していないし、また意識もしていない。そして子供を育てている親自体が意外に口呼吸をしているのです。ですから、なんとなく子供も口呼吸になるし、そのような環境で過ごしている日常生活の中で、口呼吸が良くないと言うことを思わずに生きているのです。結果、習慣としての口呼吸というのが頻繁に起きていると思われます。

特に小さいお子さんの場合は、なんとなく軽く口を開けて息をしているだけだと、かわいい顔に見えるので、それで周りの親たちは大喜びしながら応援しているようです。もしこれが口からどんどん唾液が出て、場合によっては食べ物まで出てくるなどと言うような状況であれば、これは病院連れて行ったほうがいいんじゃないだろうかなどと思うかもしれません。ですが、そのような特殊な場合は少ないと思います。多くの場合、ほんのちょっと口を開けているに過ぎないからです、そして、そのような子たちが3歳4歳となったときに、保育園や幼稚園に入って、これがまた、なんと周りの子供たちもみんな口呼吸をしているので、口呼吸に疑問を持たずに、皆、そのような環境で生き続けるのです。そして、アレルギーや喘息、様々な疾患の予備軍へとなっていくのです。

私は常日頃、矯正治療の患者さんを見ていると、小学生、中学生位などのお子さんたちがなかなか口呼吸のまま呼吸の改善が見受けられません。そのような子たちに口酸っぱく、鼻で息をしなさい、口を閉じてねと伝えています。無論大人の矯正患者さんにもそのような事は僭越ながら大変しつこく伝えています。で、そのような患者さんたちはよくアトピーの方を見受けます。そしてアトピーなので、大抵の場合、皮膚科、耳鼻科等へかかっていたりするわけです。で、そこで行われている事は、何かと言うと、肌の症状に対して、何らかの塗り薬や飲み薬が出ている、鼻をよく通すための飲み薬が出ていたり、吸引が行われていると言う事かと思います。ですが、先ほど冒頭で述べたようにアインシュタインの言うように、経験的に、実はもう過去からわかっていることなのです、まずは口を閉じて鼻で息をすることです。それができないから困ってるんだ、と言う声が聞こえてきますが、私は患者さんにこのように伝えています。最初は鼻で息をするのはとても大変だと思います。しかし少しずつでいいから繰り返し、1分でもいいから鼻呼吸をしてまた少し休んで、鼻呼吸をしてください、ほんの少しずつでいいのでやり続ければだんだんできるようになっていきます。そしていつしか鼻呼吸ができるようになります。体を治すという事はそういう小さなことの繰り返しからスタートで良くなっていくものです。例えばいきなりプロのサッカー選手になれるわけでもなく、最初は全然上手に蹴れないボールを必死に練習してずっと練習し続けているはずです。

すべてのアレルギーやアトピーが鼻呼吸をすることによって治ると言う事は当然ありませんし、口呼吸以外の原因で、そのような病気になっている方もいっぱいいる事は事実なのですが、私も経験的にわかっているのです。何年もの間、小学生からずっと見てきてしつこい位鼻呼吸をしなさいと言って、ようやく鼻呼吸をするようになってから、アトピーの症状が消えてきている患者さんと言うのは多く見ているのです。私は皮膚科医ではありませんので、アトピーに対する皮膚科的な治療をしているわけではありません。アトピーに対する薬を処方することもありません。ですが、その子たちは長きにわたってずっと病院にかかっているわけで、その間ずっとアトピーの治療を様々な処方薬等で受けていたわけです。しかしなかなか改善しないし、呼吸も安定もしていませんでした。ようやく本気になって鼻呼吸に取り組んでくれて、鼻呼吸ができるようになった時、顔色は全く変わっていました。とても嬉しい瞬間でした。

すべての患者様がそのような形をたどると言うわけではありませんが、鼻呼吸をして人生の幸せをつかんでほしいものです。

Teeth brace in the white background, 3d rendering. Computer digital drawing.

矯正治療と舌の位置について

2023年9月10日

お口の中には舌があります。この舌なんですが、正しい位置はどこか?わかりますでしょうか。舌の正しい位置は上顎についている状態です。笑?と思われる方も結構いるかもしれません。実は下に降りて下顎のほうにいるんじゃないか、と思っている人もいますよね。実際問題、その間違った下顎のほうにいる状態の人もいっぱいいるのです。その下のほうにいるような状態のことを低位舌といいます。

さて正しい舌の位置にあるとどのようなことが良いことなのかを少し話したいと思います。

1.上顎を大きくし、きれいなカーブにする。先ほど舌は上顎についていると言いました、上顎の骨の形が綺麗な円の状態になっているのか、歪んだ状態になっているのか、これは舌が上に上手くきれいについていると上顎のカーブが綺麗な球状になっていき歯がきれいに並びます。このような状況になるために、もし子供の場合、ついていなければいつもそこにつけておきなさいと言うことを指導しています。

2.不正咬合を治す。舌が間違った位置にあり多くの場合は下顎にあり、歯と歯の間に挟まっていたり、特に奥歯に挟まれている場合が多いですが、このような場合は噛み合わせが凸凹になっていきます。奥歯も内側に倒れたりしている人が結構多いです。実は自分の歯が凸凹しているのは舌のおかしな位置にあるからだと言うことをぜひとも知っていて欲しいです

3.気道の広さを確保する。気道と言う言葉をどこかで聞いたことがあるのではないかと思います。首の中にある酸素の通り道ですね。この気道が狭くて夜寝るときに呼吸が止まってしまう人がいます。このような病気を睡眠時無呼吸症候群と言っています。この睡眠時無呼吸症候群は大変危険な病気であり、寝ているときに呼吸が何度も長く止まるとやがては死に至ることもあるのです。子供の頃から気道が狭ければこの病気になる確率はとても高いです。また近年の小児科の研究では子供の頃から無呼吸症が始まっているのではないかと言うことが疑われており、子供が睡眠時にどのような状態になっているか、どのような睡眠の質でしっかり眠れているのか、あるいは眠れていないのか、このような研究がだいぶ進んでいます。そして今、警笛が鳴らされていることとしては子供の睡眠の質をしっかり確保しないと脳が成長しない、また大人になったときに無呼吸症になりやすく危険である、と言うことです

さら舌が下に落ちていると言う状況についてもう少し説明していきたいと思います。多くの場合実は下顎のほうにいて間違った位置にいる人が多いです。

  1. 1.口がぽかんと開いている
  2. 2.舌を上顎の裏側に付けようとするとうまくつかない、そのようなことをした場合、舌が震えてくる
  3. 3.舌に歯の跡がついている
  4. 4.舌小帯が短い。舌小帯とは舌の裏側の付け根のところが下顎のほうにくっついているのですがそこのところがとても強くくっついているような状態の人のことです

あなたはどうでしょうか、多分多くの人が自分の舌に問題があるのかなどとあまり考えたことがないのではないかと思います。特に子供の舌に関しては気にしていないのかなと言う気がします。一方で大人の場合、高齢者になると舌にできものができて舌癌になるのではないかと心配している人が多いですが。

では最後にもう一度舌について話をまとめますが、舌は上顎についていて、舌全体がビタっと上顎についていると思ってください、そしてこの舌の位置は歯並びと重要な関係性があると言うことを知ってください。そして私たちは子供によく授業の1時間目2時間目3時間目と毎回舌がちゃんと上についているか自分で確認するんだよと言うことを指導しています。それぐらい重要です。

A smiling woman with beautiful teeth

子供の矯正治療と姿勢について

2023年9月7日

よく多くの保護者の方からこの子は姿勢が悪いと言うことを聞きます。歯並びも悪いしいつも顔を曲げているし、姿勢が悪いですと聞きます。

実は正しい呼吸ができていないと姿勢は悪いです。前回にも話しましたが、正しく腹式呼吸ができていれば姿勢は良いはずです。ですが腹式呼吸ではなく口を開けていたり胸や肩のあたりがよく動く胸式呼吸をしている子が多いのです。

正しい呼吸ができていないと十分な酸素が取れておらずそのために体は呼吸困難のような状態になり何とか無理して頑張るために、呼吸補助筋を使って呼吸しようとします。そのため体の骨を曲げて何とか気道のスペースを広げようとしたりするために、結果、肩の高さが左右で違ってきたり、頭が前に出たり、背骨の上が曲がったりと言うような不思議な姿勢にいつもなってしまうのです。

これが腹式呼吸ができていないと姿勢が悪くなっているよーと言うことなのです。しかし当院での筋機能療法の矯正治療を受けた子供たちは指導をしっかり守っていれば、顎や舌の位置が正しい位置になるために6ヶ月もすれば頸椎の湾曲は改善されていきます。

では腹式呼吸のポイントに関して少し話したいと思います。

  1. 1.立っていても座っていても姿勢はまっすぐ
  2. 2.3秒で吸って3秒で吐く
  3. 3.吸うときにお腹は前に出し、吐くときにへこませる
  4. 4.鼻息は聞こえず、静かな呼吸である

実際に私たちが患者さんを見ているときには、姿勢はどうか、まっすぐかどうか見ていますし、口を閉じて鼻で息をしているかを見ています、そして呼吸のスピードが早すぎると言う事は無いだろうか、呼吸が激しく強くなっていない、マイルドであるか、お腹の動きはどうか、リラックスした呼吸であり力んでいないか、呼吸とともに体が揺れていないか、などを何となくふわっと見ています。

このように腹式呼吸についてしつこく語っていますが、歯並び矯正をすると言う事は単に歯を治すと言うことではなく、そもそもの原因を多角的に治せる素晴らしい治療なのです。健康な体もっと言えば強い体を獲得できるし生理学的に美しい体に近づくと言う魅力的なものなのです。

ですのでただ単に姿勢が良いとか悪いとか、本を読むときに寝転がっているとか目が近いとかそういうことだけをアドバイスしているわけではありません。身体の健康発育に重要な腹式呼吸を改善することによって歯並びも良くなり姿勢も良くなる、一体となっていると言うことをお伝えしたいのです。そして保護者の方にとってはもしかしたら耳の痛い話ですが、保護者の方があまりにも腹式呼吸ができていない口呼吸をもろに子供の前で見せていると言うのはあまり良い影響ではないので、子供に渡しているプリントの中にそのようなことがしっかり書かれていますので、保護者の方もぜひ参考に自分の健康に留意してほしいと思っています。

ちなみに大人になってからこのようなことをトレーニングして改善していく事は実は極めて大変です。子供は、何となく想像つくと思いますが、柔軟です。一方大人は完成した体です。ですからすでについてしまった癖を大人になってから治すと言うのはとてもハードなリハビリなのです。ですがもし子供と一緒に頑張れるならそれは素晴らしいです、そして他の新たな楽しい親子関係ではないかと私は思います。

Side view picture of woman's smile with clear dental braces on teeth against blanked background

子供の矯正治療と腹式呼吸について

2023年9月3日

当院では矯正治療をする際に、そもそも歯並びが悪くなる原因を除去することを目指しています。歯並びを治すと言う事はある意味何らかの装置をつければいつかは治る可能性が高いです。ですがただ治しただけではまたいつかだんだん後戻りしていく可能性もあるわけです。では後戻りしないためにどうしたら良いかと言うと、ずっと何らかの押さえるような枠の装置を常に作り続けて費用をかけて経過を見ていくと言うことです。

ですがそのようなことをせず、原因が除去できればいいわけです。ややこしい話ですが装置をつけただけであれば、結果として曲がっているものをまっすぐにすることができるのですが、そもそもの原因は治していないので、装置を外せばまたずれてくるかもしれないのです。

この話を何度となく矯正のスタートの時点にすべての患者様にお伝えしていますが、矯正治療が終了に向かい2年ほどしてこれだけきれいになったんだ、良かったとなったときには、昔の事は忘れ油断してしまいます。私は何度も口酸っぱく、いつも口を閉じて言いなさい、鼻で呼吸してください、舌はスポットにつけていて下さい、親知らずが生えてくるときには抜いた方が良い場合があるから油断しないでね。と言っています。

さて、様々な処置、器具を使って歯並びを治していくのですが、その治療と並行して原因を除去するための指導を厳しく行っています。その一つが腹式呼吸です。現代人は残念ながら多くの人々は腹式呼吸ができていません。もしあなたが歌とかを専門にやっていたり、合唱部などでトレーニングを受けていれば、しつこいほど腹式呼吸の重要性を聞いているのではないでしょうか。人の体はそもそも鼻で呼吸するように設計図ができています。正しい体の使い方をせず口を開けて口を呼吸していると言う事はとても不健康であり、もっと言えば危険な状態と言うことです。そしてこの口呼吸をしているために歯並びが悪くなっていくのです。ここに大きな原因が存在しています。鼻呼吸の確立をまず1番に指導しています。この鼻呼吸がうまくいくためには腹式呼吸が普段できているかと言うことなのです。もしあなたが小学校1年生の教室に行って前の方から子供たちの顔を眺める機会があったらよく見てみてください。ほとんどの子供が口を開けて口で息をしています。これはとても恐ろしいことなのです。どうしてか、口で息をしていれば風邪もひきやすいしアレルギーにもなりやすいです。体が病気になりやすいです免疫力も上がらないです。いつもぽかんと口を開いていて、それでいてこの子たちに一生懸命勉強を教えても本当に成果が出るのでしょうか。このような口呼吸の状態で様々な運動がんばっても本当に強い選手になれるのでしょうか。それは皆さんもよくわかってくれると思います

ではさらに話を進め、鼻で息をすることが大事だと言うのはなんとなく気づいていたと思うのですが、正確に言うと腹式呼吸をしてくださいと私は言いました。鼻で息をしていても、腹式呼吸でない場合があります。そのような子も結構見受けます。簡単に言いますと口でいつも呼吸している子に、口を閉じて鼻で息をしなさいと言うと、胸式呼吸になります。胸のあたりや肩のあたりが上下に動いて一生懸命胸式呼吸を始めます。これでは腹式呼吸でないので長続きしないですね。そしていつしかまた口を開けると言うことになるわけです。そもそも胸式呼吸ではダメなのか?ダメなんです。それは胸式呼吸は肺の3分の1しか使っていないのです。ですので呼吸が浅いです。そうすると脳は酸素不足と判断し、呼吸が速くなりますそうすると鼻呼吸もうまくできず口呼吸になってしまいます。そして何より気道が狭くなってしまいます。そしてさらに呼吸が浅くなると言う悪循環を繰り返していきます。

ですので私たちは腹式呼吸を基礎中の基礎として子供たちに一生懸命練習させています。毎度腹式呼吸を自然体でしているのかをチェックしています。言われた時だけうまくやろうとしても普段から自然にできていなければすぐにおかしな呼吸になりばれてしまっています。

Closeup of a mouth with braces on teeth

子供の矯正治療と開始時期はいつがいい?

2023年8月31日

先日あるお母様から5歳のお子さんに関して矯正のスタート時期はいつが良いのでしょうかと言う質問がありました。これに関しては今まで私がここに何度となく書いていますが、理想は小学校1年生の4月です。このお子さんはお姉さんが小学校2年生ですが、お姉さんと一緒にスタートすることとなり小学校1年生となるまでは練習でお姉さんと一緒にやろうと言うことになりました。すなわち本格的なスタートは小学校1年生で1年間はお姉さんの横にいてちょっとだけお姉さんと一緒に練習してみようと言うような状況です。

前回に話した小学校1年生4月がスタートとして理想であると言うのは、子供のモチベーションのコントロールにおいて理想的であるからだと言う理由を伝えました。今回は別の理由に関してお伝えしていきたいと思います。

それは何かといいますと、体の成長と関係があります。矯正治療をすると言う事は、悪い習慣により顎がずれたり、歯が曲がっている、筋肉のバランスが悪い、筋肉が弱い、呼吸が間違っている、口をいつも開けている、鼻で息ができない等を是正することではあるのですが、その是正を通じて骨の歪みも一緒にできれば治していきたいわけです。

それを考えた際に、実は顔の真ん中あたりのことを中顔面と言いますが、この中顔面が出来る限り球体の形に成長を促進することがとても成功のカギです。顔の真ん中辺、中顔面が一番成長を促進できるのは、小学校1年生から3年生位なのです。この時期が成長のピークで最も成果が出やすい時期なのです。それを過ぎるとあまり今度は成長の余地がなくなりあまり形を変えるのは難しくなります。すなわちはが並ぶ元となる土台の骨の形、顎の形を出来る限り理想的な球の形にしたいのですがそれがこの時期だと言うことなのです。速すぎても遅すぎてもだめなわけでは無いのですが、最も成果が上がりやすい時期と言うことです。特に東洋人の場合、中顔面の骨の成長が弱いと言うことが近年ではよく指摘されています。

以前映画で阿部寛主演のローマのお風呂の映画がありました。この映画の中では東洋人の顔を平たい族と表現していました。顔が平べったいと言うことです。そして西洋人は横顔から見たときに前後的に長い立体の顔をしています。一方、西洋人の顔は球に近い形なのです。この平たい顔では立体の球にはあまり近くないですよね、このような状態にはならず、横顔から見たときに立体感のある球の形の顔になってほしいのです。

実はこの形に究極的に近づけたい場合にはもう生まれてまもなくからできる努力があります。母乳が終わった頃にすぐに前歯噛みを始めることです。離乳食は食べないです。よく考えてみてください。離乳食と言う商品が世の中に出回っていない昔には誰も離乳食は食べていないのです。大人が食べているものにほぼ近いものを食べていたのです。子供だから柔らかいものを食べさせないと食べられない、歯がないから噛めないのではないか、と考えがちですが、実は昔は大人と同じものを必死に1歳児が前歯2本程度もしくはその周りの土手で噛んで食べていたのです。これをひたすら行うと立体の丘に近づいていきます。

話を元に戻しますが、体の成長を考えてどの時期にスタートすると良いかと言うことでした。もしあなたのお子さんがその時期を過ぎていた場合どうすべきかと言うことに関してお話ししますが、過ぎてしまったから全くダメと言うことではありません。その中で出来る限り良い状態になることを考えます。専門家ではない皆さんから見た場合、見た目で言えば十分に治っていると思う程度まで改善はできます。ただ我々専門家から考えると土台が十分に良い形になっているか、呼吸や舌の位置が正しい位置になっているか、などのこだわりを考えた際には、やはりどうしても差があると言う仕上がりになっています。遅いと言う事は無いのですが、もし正しい知識を持っていて理想の時期にできるのであればそれを行うべきです。もし時期を過ぎていれば可及的速やかに対策を打つべきです。そして足りない部分をどのように出来る限り補うかを考えます。

また時期が遅くどうしてもズレが大きい場合には歯を抜いての矯正治療になる可能性があります。歯を抜いてやることが悪いわけではありませんが、多くの方ができれば抜かないで治るならそうしてほしいと言う希望が多いことも事実です。すなわち、きれいにしたいと言う気持ちもあるししっかり治したいと言う気持ちもあるのだが、抜くのはちょっと心配かなと言う気持ちもあるのです。人間だからいろんな気持ちがあるのが普通だと思います。その中で最も自分らしい生き方はなんだろうと言うことを検討していくことになるかと思います。

子供の矯正と子供のモチベーション

2023年8月27日

前回子供の矯正をしていく上で、矯正治療を受けているのは子供自身であり、子供自身が変わらなきゃ、と思えるように持っていきたいと言うことをお伝えしました。今回はそれをさらに深掘りしていきたいと思います。

子供自身がこれもうちょっとやってみたいなー、もっと良くなってみたいなーと言うようなモチベーションにつながるような状態にしたいわけです。
具体的には装置を決められたように毎日家に帰ってから1時間入れてね、口を閉じて鼻で息してね、

舌はスポットに付けていてね、など指導するのですが、この時に子供のモチベーションが高いのか低いのか、これは治療の成果に大きく関わってきますよね。

ここで1つ我々が指導していく上で重要なことを皆さんにお伝えしたいです。これはかなり重要なことですが多くの方が残念ながらこのことを保護者の場合は理解していません。ここは子供の運命の分かれ道と言ってもいいです。それは何かといいますと、子供の矯正治療はいつからやるべきなのか?それはきっぱりといいますと小学校1年生4月です。ほぼこの時期から始めてください。その子の人生が大きく変わるといえます。いろんな保護者の方がいますが、4歳5歳位からあるいはもっと言えば1歳2歳から出来る限り子供の健康考えて通っている方もいます。当然このような場合、当院の予防クラブのプログラムで対応していてそこで予防矯正を6歳までは行っています。そして小学校1年生から矯正をスタートしようと言う計画を事前に何度も本人にもイメージさせています。

どうしてこの時期なのか?もっと小学校6年生や中学校2年生位でも大丈夫なんじゃないか?と言う保護者の方が結構いるのですが、今回話しているモチベーションのコントロールに関しては、小学校1年生が医療者側からすればベストなのです。私たちは子供自身が自律的なモチベーションを持ってやってくれる状況を出来る限り生み出したいのです。本人が自律的なモチベーションを持ったときには最強の結果が出ます。このモチベーションのコントロール、医療者側からすれば小学校1年生がベストなんです。これは様々な心理学的な背景の中から出ている結論です。

大人の言葉が理解でき、様々なアドバイスを実際にやる際にその行動を形にできる程度の理解力がある、かつ精神年齢がそこまで発達しておらず自我が強くないために大人のアドバイスを聞き入れやすい。と言うことなのです。と言う事はこれがだんだん学年が上がり3年生4年生そして5年生6年生と思春期に近づいていくと、どんどん賢くなり大人が言うことに対してそれって本当なの?と実は心の中で思っていたりします。そうするとモチベーションのコントロールはどんどん難しくなっていくのです。

今回はモチベーションのコントロールに対しての理想的な時期と言うことで話をしました。実は他にも様々な要因があるのでそれはまた後日伝えたいと思います。

またモチベーションには2種類あり、1つはこれをやったらゲームを30分やっていいよと言うようなタイプのモチベーション、これは短期的な効果しか得られません。もう一つは自律的なモチベーションで、自分から行動できるようになるよう仕向けますこれこそが最強のモチベーションです。

そのために私たちは毎回こうしてください、と、単に指示をするだけではなく、本人と対話します。本人と相談をします。すなわちどうしたら自分ができるのか自分なりにいつだったらやれると思うか、あるいはどうしてやれなかったのか、どうしたいのかなどを根気よく引き出していきます。

Portrait of a cute little girl looking at her teeth after doing teeth surgery in a pediatric stomatology while sitting in stomatology seat.

子供の矯正治療と本人のやる気

2023年8月24日

当院ではよくお母様とお子様が歯並びの相談に来られます。これは子供に例えば、水泳を習わせたらいいんじゃないかと思って、スイミングスクールに行くわけですね。そしてスイミングスクールを見学して子供と確認しあってじゃあここでがんばってみよう、となるわけです。

そうなるとですね、矯正治療を受けているのは子供自身なのです。当たり前のことですが、保護者がどんなに手助けしても、その手助けはある程度しかできないんです。ただ勘違いして欲しくないのは保護者が全く関係ないとか手伝うことができない、協力ができないと言うことでは無いのです。保護者が子供に気をかけてあげたりプラスの言葉を投げてあげたりそのような事は極めて重要です。ですが矯正治療を受けているのは子供自身であり、その子供自身が多少は頑張らないと成果が出ないと言うことです。ごくまれにですが勘違いしている保護者の方がいます。それは歯科医院に行って矯正治療さえ受ければ何とか治るんじゃないか?装置さえ入れていればだんだん治っていくんじゃないか?そのように単純に思っている方がいます。

これは違う例で言うと、ピアノ教室に通っていて、通いさえすればだんだん上手くなっていく、2年も経てばそこそこ弾けるようになる。と思っているわけです。あるいは違う例で言うと、学習塾に行って子供を送り届けさえすれば子供は勉強ができるようになり成績が上がる。果たしてそうでしょうか?そうですよね皆さんよくわかってらっしゃいますよね、決してそんな事はなくて、それなりに家でピアノの練習をする必要がありますし、家で宿題をやったり努力をして初めて十分な成果が出てくるわけです。そしてその成果は個人個人違って全員同じ結果になるわけがないです。

話を戻しますが矯正治療を受けているのは子供自身であり、私たちは子供にも一生懸命アプローチしていくわけです。すなわち歯科医院に来てその場で何とかなるとは思っていないわけです。家でやるべき努力、家でやってほしいことを本人に伝えていき、子供ですのでただ単にやれと言えば良いと言うことではなく、その人の成長度合いに合わせ始動、アドバイスをしています。

特に気持ちの上で、子供自身が変わらなきゃ、と思うようにすることを考えています。子供が単に親がやれと言ったからやるわけでもないですし、ドクターがこうしなさいと言ったから全くその通りにやると言うわけでもないです。人間だからそうですよね。

そのために私たちは、子供が自ら行動しやすいようにいくつかの点を気をつけて付き合っています。

  1. 1.ポジティブな声掛け
  2. 2.楽しいと思わせる
  3. 3.習慣化の手助けをする
  4. 4.自宅でマネージメントできる目標設定をする

このようなことを気にかけモチベーションにつながるように考えています。