Tag Archives: 歯周病

歯科衛生士の院内教育、技術について

2023年11月23日

あなたは、歯科医院に定期的に通っていますか?

歯科医院に定期的に通ってやる事は何か、それは歯科衛生士における定期的なクリーニングのことです。予防の掃除です。もしあなたが自分の車を2年も3年も全く洗わなかったとしたらどうなると思いますか?とっても汚れて、もしかしたら痛んでるかもしれないですよね。車検を受けないまま5年乗り続けてオイルも交換していない、大丈夫だと思いますか?やはり時々はチェックしたり、定期的なお掃除、手入れしてあげたいですよね。そのほうが安全ですよね。

私は人の体が清潔であるとか細菌が少なくて、安全である…お口の中で言えば歯の側面や溝のあたりがつるっとしていて、気持ちが良い、こういうことがとても大事だと思ってます。そしてそういうことが人の人生の豊かさを作っていると思います。

ですので、ぜひとも皆さんには定期クリーニングを受けてほしいと考えています。
そこで、その定期クリーニングと言うのは歯科衛生士が行う処置です。その歯科衛生士の定期クリーニングの処置のために院内では教育を行っています。具体的には2ヶ月に1回ほど外部から講師に来てもらい歯科衛生士の実技のトレーニングをやってもらっています。手がうまく動くことも大事です。いかに効率的で合理的にお口の中をきれいにできるのか。そして痛くなく。もっと言えばどうやったら患者さんが気分良く、その定期クリーニングを受けられるのか。いわばエステに行っているかのように。何となく気分良く、昼寝のような気分になれるか。

どうしても一般的には歯科医院に行くと痛い怖いというイメージがあると思います。そういう中で気持ちよく患者さんに通っていただく、特に虫歯があるわけではないのに、歯科医院に来いという事ですので、もしそれが歯を削っているわけでもないのにもかかわらず、とても痛かったら。それはちょっと残念となってしまいますよね。技術の研鑽がとても大事となってくるわけです。実際の歯科衛生士の研修の際には、技術のトレーニングを受けているわけですが、様々な実際の臨床的な質問はたくさんディスカッションされています。自分が見ている患者様がこのような状態でどうしてもこういう時にうまくできないと具体的な質問がよく出ています。このような患者様にどのように説明したら良いのでしょうか?とかです。

そして、私たちは学校を卒業すると、それ以降勉強しないと言う状況が起こりやすいです。
仮に勉強しなかったとしても、様々な社会を通して実学を学ぶと言う環境は確かにあるとは思うのですが、歯科医療は専門医療ですので、専門家としての学びがどうしても常に必要であると私は考えています。

それは新しいことを常に学んでいく、医療ですから、日々進歩していきますので、新しい技術、新しい認識、知識、見識を得ていくという事はとても必要だと思います。

あともう一つ学ぶことでの何が大切かというと、私たちはどうしても忘れていくと言うことです。いつの間にか忘れてしまう。せっかく学んだのにもかかわらず、常にいろいろな勉強していないとだんだんだんだん記憶はあやふやになっていきます。例えば包丁はいつしか、だんだん切れ味が落ちていきます。ですから、時々手入れをして切れ味を良くしてあげることが大事です。

歯科衛生士学校で学んだことが、だんだんといつしかあやふやになったり、いまいち自信がないようなことになっていたり、そういう意味において、確認復習ということもとても大事だと思います。

歯科衛生士学校を卒業して、お疲れ様といいたいところなのですが、また新たな成長が待っているのです。

Tooth decay and heart disease as an unhealthy molar with periodontitis due to poor oral hygiene health problem as a bacteria infection in the blood as a concept with inflammation as a 3D illustration on a blue background.

歯周病と全身疾患の相互作用、お口の中には細菌がいっぱい

2023年9月28日

体の中にはたくさんの細菌やウィルスが住んでいます。もちろんお口の中にいっぱい細菌がいるし、朝にはお口の中が細菌がいっぱいに増えているというのもイメージがつきやすいのではないでしょうか。細菌以外にもウィルスなど様々な微生物が体の中には共存共栄共存しています。共生しているのです。大人の場合、特に、体の中に共生して一緒についている細菌の数はとても多いです、びっくりするぐらい多いです。体を作る細胞の数より実は多いのです。

あなたは健康な体だから細菌が住んでいないと思っていませんか?そんな事は実はなく、そんな人もいないのです。健康な体と健康な細菌層がお互いに共生関係にあるのです。健康な細菌層であれば良いのです。逆に細菌層が乱れると病気を誘発すると言われています。特にお口の中の細菌は最近では特に注目されていて、この細菌が安全な状態なのか不安定な状態なのかによって様々な全身疾患が起きているのではないか、という研究が進んでいます。口の中は1000種類以上にも及ぶ細菌が住んでいます多様性に満ちた生態系となっているのです。

近年の研究ではお口の中の細菌を介して健康に悪影響与えることをがだんだんわかってきています。例えば関節リウマチや肝硬変、大腸がんなどの患者さんの腸内細菌にお口の中の細菌が多数検出されています。これが病気の原因と関係しているのではないかと言うことです。お口と腸はつながっていますが、お口の中の細菌を飲み込んで胃の方へと行くのですが、そのときには胃液でその細菌は死んでしまい腸まで届くという事は稀だと思われてきました。

しかしこの胃液のバリア機能が低下していると、病気でお口の中の細菌が腸まで進んでいくと考えられていたのです。ところがです、健康な人でも多数のお口の中の細菌が腸に存在するということがわかってきました。ですのでお口の中の細菌のバランスが悪い状態になっていると、それはすなわち歯周病のことを言っていますが、歯周病が進行している人の場合、糖尿病、肝疾患、動脈硬化、関節リウマチなど一見お口の健康と関連がなさそうな病気の発症や進行が起きているという分析がなされています。

以上のようなことから様々な分野の研究から警笛が鳴らされています。ですのでお口の中をきれいにすること、歯周病の進行に気をつける事は、全身の健康を守るという事と極めて重要な関係があると言うことなのです。