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磁石応用入れ歯とMRIの関係について

2023年11月30日

こんにちは、先日は磁石応用入れ歯がとても良いものであると言うことをお伝えしました。ですが、よく色々と勉強されたり、ネットを見ておられる方ですと、MRIの撮影の時に大丈夫ですか?ということを目にしたことがあるかもしれません。

病院等でより詳しい体の検査をする際にMRIの検査をすることがあります。このMRIの検査をする際には、体の中にアクセサリーや時計などをつけていれば、当然外さなければいけません。もしそのようなものをつけていれば、ものすごい磁場の力で、それが引っ張られて、体に大きな傷を負うことになるかもしれない、とても危険なことが起きるからです。そうすると磁石応用入れ歯はどうなのかということなのですが、これにはいろいろな考え方があります。

まず入れ歯の中に入っている磁石ですが、これは特に問題は起きません。というのもこの検査をする際には部分入れ歯などはお口の外に外してから検査をすると言うことが徹底されているからです。MRI検査に影響を与える磁石をお口の外に外して検査を受けますので、この検査がうまくいかない、体に害を与える、などと言う事はありません。

ですが、1つ問題がありまして、それは先日話したお口の中には、磁石にくっつくための金属の板が埋め込まれていると言うことを書きました。この金属の板は、実はかなり特殊な金属を使っています。例えば、歯を治療する際に金属を使ってかぶせ物をしていることがあります。このような金属は特にMRI検査をしても一切問題はありません。ですが、この磁石にくっつくための特殊な金属は、MRIと実はあまり相性が良くないのです。このMRI検査をする際にこの金属があるために引っ張られるとかと言うような事はありません。ですが、このMRI検査が終わった後の画像診断の時に影響が出ることがあると言われています。

この影響とはどのようなものか、画像診断をする際に、この金属の板が、その金属の板よりもやや大きく画像を乱すような大きさになって映り込んでくるのです。ゴルフボール大位と言われています。そうなると正確にこの画像を見て綿密に調べていきたいにもかかわらず、画像がはっきりと読みにくいところが、お口のそばにゴルフボール位の大きさで影響を与えているということです、そうなるとどうでしょうか?

このMRI検査がどこの場所を正確に診断したいかということと関わってきます。もしその検査が頭の脳などを調べたい。これが実は1番多いですが、そのような場合は顎の位置であれば特に問題が起きる事は無いです。しかし鼻や顎のそば位だともしかしたら、先程のゴルフボールほどの乱れが影響してくることもあります。

この影響が心配される場合、MRI検査の前に金属の板を外すことも考えられます。その際は歯科医院にて、外す処置をします。あまり起きることではありませんが。

総合的に判断して、金属の板を外すことになる頻度はかなり低いので、外すリスクより、磁石応用入れ歯の利便性のほうがベネフィットが高いです。日々の快適な生活を優先して、この磁石応用入れ歯を選択していきます。

どうして磁石を用いた入れ歯が良いのか?

2023年11月26日

先日、私は磁石のタイプの入れ歯をやることはできますかと言う質問が患者様からありました。
磁石を応用した磁石式入れ歯というものがあります。これはどのようなものでしょうか?一般的に入れ歯というものは自分の残っている歯に対して、針金の金具をかけて引っ掛けている場合が多いです。この引っ掛けた金具が入れ歯を安定させるために様々な役目を担っているわけです。

一方、このような金具のひっかけ部分をあまり多用せず、この役割の代わりを磁石にやってもらうと言うタイプのものがあるのです。磁石を使っていると言うことは、くっつくということです。入れ歯とお互いにくっつく構造があるわけです。具体的には入れ歯の方には磁石が入っています。入れ歯の中の内側に磁石が埋め込まれているということです。そしてお口の中には、その磁石にくっつくための金属の板の部分があります。この板の部分は、自分の歯の根等に埋め込んであるわけです。歯の根の上に板状の金属がセメントなどでくっつけてあります。そうすると、磁石と板がくっつくということが起きて、結果、入れ歯はお口の中で安定すると言うタイプのものなのです。

このような入れ歯を磁石タイプの入れ歯を作るにはいくつか条件があります。
その条件とはいろいろあるのですが、大きな要素としてはお口の中に歯の根が残っていて、その根に金属の板のものをくっつけることができるかです。ですので、歯の根がもし1本もなければこのような方法は簡単にはできないかもしれません。またこの磁石にしたほうが良いような歯の根が残っているかということです。もし金属の板にせず、普通に歯をかぶせたほうが良い場合であれば、無理にこのような事はしません。あるいは全く削っていないような歯を無理矢理削って、金属の板に置き換えると言うようなこともあまりしません。と言うことから、お口の中の状況によってこの磁石を用いることが適しているのか、適していないのかということがあるのです。人によって違うということです

ですが、現在の高齢化社会を考えるにこの磁石を用いた入れ歯を使うことができるタイプの人の場合は、磁石を応用した入れ歯にする事はとても有意義な意味があります。
以下にそのことを書いていきたいと思います。よく磁石を使う入れ歯の話をすると、先進的だから良いのではないかと言うことを患者さんから聞いたり、あるいは金具ではなくて磁石なので、入れ歯の中に埋め込まれていて目立たないから審美的に良いのではないかと言うことを言われる方がいます。確かにそうなのですが、もっと他にとても良いことがあります。

それは磁石を用いた入れ歯の脱着はとても楽なのです。入れ歯を口の中に入れて、なんとなく磁石が板の近くにそばに寄っていくとカチッと入れ歯がここだなと言うとこで、最後安定してつけられるわけです。外すときにはやや力を入れて引っ張るのですが、ある一定以上の力をかけてやればスコーンと簡単に外れます。そしてこの取り外しには上下のまっすぐな動きではなく、できるのです。

ですので、もし多少手が器用でなかったり、あるいはだんだんと手の動きが不自由になってきているような高齢者だとしても、やや斜めから大体の位置で入れても、磁石が入れ歯を誘導してくれるので、取り外しがとても楽になることがあります。これはとても大きなメリットです。本来、部分入れ歯と言うものはある一定の方向からすっと入れることが非常に精度的には良いので、そうすると残っている歯も無理な力をかけず、歯を安全に長持ちさせるということができたのです。ですが、これはあくまでもまっすぐに上下に入れ歯を上手に入れられると言う前提の話であり、それは手がうまく動くと言うことが必要ですし。

もし介護のような状態で第三者がその入れ歯を、入れたり外したりするとしましょう。その時に本人が入れ歯を入れるのと、他人が入れ歯を入れるのではだいぶ意味が違ってくるのです。本人の場合は自分の体で、なんとなく手の感覚で、こんな感じ入れると入るというのが染み付いているわけです。そして今ぐらいで入れたら大体痛くなくすっと入るなど本人はわかっています。ところが他人が入れるときにはこれだけぐっと入れると痛いとか押しすぎだとか、あんまりいまいち入っていないとかわかりにくいのです。でも、その時もしそれが磁石式の部分入れ歯であれば、磁石がある一定のところに来るとくっついていきますので、カチっと一定の位置でくっつこうとして誘導されます。そしてピタッと止まるので、他人でも上手く手伝えます。これはとても便利です。他人が口の中に入れようとしたときには非常にその人は助かります。これで確かに入ったなというのが第三者でも実感できるのです。

磁石入れ歯はまだまだ普及はしていないです。ですが、これからの超高齢化社会において、健康長寿に寄与すると思われます。

入れ歯の針金によって歯は締め付けられるのか?

2023年11月19日

先日入れ歯に関しての患者様から質問がありました。それについてとても重要なことなので、皆さんと共有したいと思います。その患者さんは、ノンクラスプタイプの入れ歯を作りたいと言うことを申し出ているのです。

まずそもそものノンクラスプの入れ歯とは何でしょうか?それを少しだけ先にお話ししたいと思います。ノンクラスプとは。入れ歯はその患者様の残っている歯のどこかに針金をかけて、引っかかりを作っています。この引っかかりの歯が、いればを安定させるために必要なわけです。ところが、この針金の引っかかり、前歯のあたりに針金が引っかかっていると見えてしまい、嫌だと言う人がいます。針金が見えてしまうと、いかにも私入れ歯入れてるんですと強調しているようなので、針金が金属ではなくピンク色のプラスチックで作られているものがあるのです。このピンク色のプラスチック部分は入れ歯と一体となってできて歯茎のそばにあるため入れ歯を入れているということが人から見たときにややわかりにくいです。少なくとも針金を入れて見えている場合のことを考えると、わかりにくいために好まれる患者様が多いのです。すなわち見た目の問題ということです。

そしてその患者様に、どうしてノンクラスプタイプにしたいのかと言うことをよく聞いてみますと、その理由は実は見た目と言うよりも針金を使うことが嫌だと言うことなのです。何故、針金を使うのが嫌かと聞くと、見た目を気にしているのかなとか、もしくはアレルギーになる金属アレルギーのことを気にしているのかな、ということが一般的には考えられます。しかしそうではなかったのです。それは針金を引っ掛けると自分の歯がだんだん弱っていって自分の歯が抜けてしまうのではないかということを心配されていたのです。一方のノンクラスプはピンク色のプラスチックなので、そっちの方が歯に強く押していないから、自分の歯が悪くなりにくいんじゃないかと思ったそうです。

さて皆さんどう思いますか?

自分の残っている歯のどこかに安定させるために何らかの方法で引っ掛ける必要があるわけですが、それが針金のほうがいいのかプラスチックのほうがいいのか?

これは実は答えは、精度の高い金属の針金を使うということです。
どのような針金をかけているのか、これは実はかなり複雑な話です。歯科技工士でなければわからないような話です。しかも入れ歯専門の人でなければわからないです。まず金属にはワイヤータイプと鋳造タイプというものに分かれます。この針金の作る作業の中において、強く閉めればしめるほどがっちりとつくような感じがしますよね。しかし強く締めれば当然歯が常に栓抜きのように引っ張られてだんだん弱くなってしまうと思いますよね。そうなんです。強すぎるのはダメなんです。でも弱すぎてもだめですよね。意味がなくなってしまうのです。

ですので、ちょうどいい頃合いと言うのを力学的に計算して作られています、これが非常に精度の高い微妙な話で、それなりの腕のある技術があり、理解力、知識もある歯科技工士が作らなければそのようなものはできないですし、また材料としても良い材料を使わなければそのような事は実現できません。もっと細かく言うと、その金属を鋳造するのですが、その製造過程において、それなりに高度な製造器具を持っている歯科技工所でなければ実現はしないのです。

先ほどワイヤータイプと鋳造タイプと言うことを言いましたが、精度が高いのは当然鋳造タイプです。ワイヤータイプでうまくいくと言うのは、もうまさに職人技で、正確には設計が測れないところをその人の腕1本でちょうどいい塩梅に作れるかどうかと言う事だけです。では、なぜワイヤータイプがあるのか、それはどうしても鋳造タイプだとうまくいかないようなことがあるのです。それは歯の形が、もともと湾曲が強かったりとか、様々なお口の中の諸事情があり、鋳造タイプではうまく作れないという判断がある場合です。

そうなると当然第一選択は鋳造タイプです。ほとんどの場合、これでいけます。しかし一部にワイヤータイプを併用しなければならない場合が存在しているのです。

何度ももう一度強調しますが、この鋳造タイプで精度の高い針金のひっかけを作ることなのです。これにはそれなりに費用がかかり、結果、入れ歯の金額も高くなります。
このお話しで言える事は、どうしてノンクラスプを選びたいのかという理由が、よくドクター側と患者様側でコミュニケーションが取れているかと言うことになっているのです。

ドクターからしてみれば一般的に知識はありますので、鋳造タイプが1番良いであろうとなんとなくは思っているわけです。そもそも。ところが患者様がノンクラスプがいいかなぁと言うような傾向を示されると、つい見た目を気にしているのかなというふうに思ってしまうわけです。しかし、見た目とは別にイメージで、針金は歯が抜けそうで、怖いと錯覚していたということです。

これかなり大変な錯覚なんです。確かに患者さんからしてみれば金具だから大丈夫かなぁと栓抜きのようなもので、毎日何度も何度も出し入れしていてとなるはずです。
ところが、ドクター側から見ればより精度の高い特殊な機械で良い金具を作ることが、最も歯に力を無駄にかけないで安定すると言うことを知っていますので、それを選んであげたいわけです。
入れ歯は奥が深いのです。