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宝くじと歯科診療

2024年1月18日

こんにちは、お元気にお過ごしでしょうか。一般的に歯の治療、歯医者に行くというと、多くの方は怖い、痛い、嫌だとそういうイメージを持っているのではないでしょうか。歯科医院にプラスのイメージを持っていけると良いですよね。今は悪かったとしてもだんだん良くなる。もっときれいになる。しっかり噛めるようになる。そしてその先には楽しく旅行に行けるなど。

ですが、その場ではやはり注射をしたり、場合によっては歯を抜いたりなどどうしても今まさに起きている事は、大抵の場合嫌なことなのかもしれません。そしてその治療は一回で終わる事はなく、2回3回と少なくともそれぐらいはかかったり、場合によっては何ヶ月もかかったりという状況になっているんだと思います。

ですが、この1回一回の積み重ね、治療が確実に進んでいくこと、それがやはり必要なので、そのようになってるわけで1回一回を大事に考えなければいけないですし、その時行って良かったと思えればいいですよね。

このようなことを私はよく自分の友人なんかと話をしたりしています。無論その友人と言うのは歯科医師ではありません。私の昔からの友人で今医院に時々通っている患者さんでもあります。そうすると彼曰く、なんかここに来るのに怖いなぁって思うけど、楽しいことがあったらもっと来やすいのにね。なんて気楽に言ってきます。そして、クラシックの音楽が流れてるけど、これ落語でも流したらいいんじゃないの?そしたら楽しいんじゃない、などと言われたことがあります。

そうですね。クラシックを流してリラックスしていただくことも1つだし、落語とかお笑いを用いて緊張をほぐして、楽しい雰囲気に持ち込む、というのも1つの手かもしれません。

当院では実は1つの試みをしています。それは年1会、患者様に宝くじを配っているのです。この宝くじは1月に皆さんに院内新聞を配布するときに同時に渡したりしています。この宝くじには番号が書いてあり、その番号の末尾数桁によって何かが当たったりするわけです。くじはハズレは無しです、少なくとも歯ブラシ1本はもらえます。一等、2等など上位の当選となると、たくさんの予防グッズがもらえたり、歯ブラシや歯磨き粉など家族みんなで使えるような衛生用品が当たったりします。特に小さいお子さんは宝くじを握り締めて医院にやってきます。

何が当たっているんだろう。何がもらえるんだろう?宝くじを受付に出して引き換えをしています。とても楽しみにしてくれています。このようなことでも少しでも人の気持ちが変わり、モチベーションが上がればとても良いことなのではないかなと私は思っています。少しでも人の幸福につながればと思っています。また子供だけでなく、大人でもやっぱりちょっと嬉しかったりという表情を浮かべます。

私は子供の頃、年賀状のお年玉付きの葉書が大好きでした。この葉書で何が当たっているかを一生懸命しっかりとチェックして見ていました。そんなに凄いものは当たった事は無いですが、記念切手と交換したりとかそういうことがありとても嬉しかった思い出があります。

そんな自分自身の気持ちもあり、この宝くじを年に1度行っているわけですが、歯科医院独特のどうしても怖い、痛いと言うイメージを変化させ、楽しんでいただけたらと思います。そして、それが多くの人のお口の健康や幸せにつながっていけば嬉しい限りです。

ただ、歯科衛生士が歯を磨きなさいというだけでは意気消沈したりという方もいるかもしれませんものね。

国民皆歯科検診

2024年1月14日

歯が悪いということは、危険です!そして全身疾患の予防の入り口は歯を守ることです

こんにちは、お元気にお過ごしでしょうか?あなたは国民皆歯科検診という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ここ1年位で国会などで取り上げられている内容です。すべての国民が歯科の検診を行い、歯の予防をした方が良いと言う考え方をもとに作られています。これはどういうことでしょうか?

例えば、今現状、国レベルやその地域都道府県や市レベルなどで様々な医療の検診が行われています。簡単な例を挙げると、メタボリックにならないよう、糖尿病に関して検診を受けよう、血液検査等用いて、定期的な健康診断を受けようなどです。このようなものは国やその地域の行政の補助の予算がついて、国民が1部負担もしくは無料で受けられるようになっています。そしてそのようなことを国が旗を挙げて国民に進めていくわけです。そうすると無防備な状態で、いきなり病気になって、高い医療費がかかってしまうというようなことにならないように、ということなのです。普段から悪くなる前に早期発見をしよう、予防をしようという考え方です。

このような早期発見や予防という概念は昔は全くなく、病気になってから初めて病院に行く、悪くなってから、病院に行って検査をしてみたらとっても悪かった、という状況だったかと思います。ですがどうでしょう、ここ数年は大抵の人が健康診断を受けたり、個人で人間ドックに行ったりといろいろなことをしていると思います。そうするといろんな検査を受けることによって病気が発見される。あるいは病気の可能性があるので、今から少しずつ気をつけていくということになるわけです。

もし骨粗しょう症のリスクがあれば、そのような薬を早めに飲み始める、普段から食生活に気をつける、適度な運動に心がけるなど、そのような行動に変わっていくわけです。そしてその結果、大腿骨骨折など大きな病気を未然に不足防ごうと言うわけです。

では、この国民皆歯科検診に関して考えてみると、歯の健康や歯の定期的な検診はどれぐらいの人が受けているでしょうか?たまに歯科医院に行き、歯の検査を受けているという人は、様々な統計から15%にも満たないと言われています。歯科医院に行くのは歯が痛くなった、詰め物が取れたなど何らかのやはり理由があって初めて行っているということです。悪くなくても定期的に行っている人はかなり少ないです。悪くなる前に定期的に検診に行き、未然に防ぐということは非常に意味があるかと思います。が、今回これを国を挙げてどうしてやろうとしているかというのには、実は大きな理由があります。それは様々な病気の原因のスタート、初期症状はお口の中をきれいにすることによって、お口の中を良い状態にすることによって防げる可能性があるということがだんだんわかってきたからです。

80歳になって歯が20本残っている人と80歳になって歯が5本ぐらいしかない人この2人を比べてみると、やはりはが20分本残っている人は健康的であり、あまり病気には罹患していません。一方で、歯が5本しかない人は様々な病気にかかっていて、何度も入院をしていたり、たくさんの病院にかかっていたりします。このようなことから歯が丈夫であれば、余計な医療費を支払わなくて済むということが言えるのです。

すなわち今、日本社会は極めて多くの莫大なる医療費に悩んでいるわけで、この医療費をどうしたら抑えられるかということが様々な観点から考えられ、実践が行われてきたのです。そしてその中で健康な状態である、すなわち、お口の中が健康な状態、歯がたくさんあるような状態であれば大抵の病気にはかかりにくいということが統計的にわかってきたため、国民の歯を守ることが最も実は近道であると言う戦略になったわけです。

大きな病気になって、それを治すための医療費を使う、もしくは様々な特殊な手術をより先進的に行うという努力よりはもっと簡単で入り口部分にあるお口の健康を守るというところをしっかりと押さえていこうと言う方針なのです。

あなたも自分のお口の健康をぜひ守ってください。口の健康は単に食事がおいしいということだけにとどまらず、ご自身が様々な病気にかかりにくいと言うとても大きなメリットがあるのです。
歯科医師による検診と歯科衛生士による予防処置を両方受けるとより安心です。

電動歯ブラシの利点、そして欠点はあるのか?

2023年12月10日

先日ある患者さんが、私はいつも電動歯ブラシで歯磨きをしているけれども、それで大丈夫か?と言う質問がありました。あなたは電動歯ブラシを普段使っているでしょうか?使ったことがありますか?もしくは全く経験なし、とか。

電動歯ブラシはとても良いものですが、使い方を間違えるともったいないことになります。そのことについて少しお伝えしていきたいと思います。

幼稚園児位の小さいお子さん、本人が電動歯ブラシを使っていることをたまに見受けます。これはちょっと無理があるかもしれません。どうしてでしょうか?それはおそらく正しく使いこなすのが難しいからです。そして勘違いしてしまうからです。電動歯ブラシで磨くと、そのものすごいパワーによってすごく磨けたような気分になってしまいます。そして時間も短縮できると思っていますので、本来なら3分ぐらいやるところを、30秒でできると錯覚したりするのです。音も結構快適な音が鳴って、振動も確かに体に感じるので、いかにもきれいになったと思い込んでしまい、それが習慣化していくと、実は歯と歯の間や歯茎の際の難しいところは意外にできていないまま、長い期間放置することになります。そしてその放置期間の間に虫歯ができていたり、歯茎が炎症していたりということが起きているのをたまに見ます。

すなわち、電動歯ブラシは広い面を一気にきれいにするという意味においてはとても効率的です。汚れもしっかり落としますし、手の動きでは不十分な場合でも落とすことができたりします。ですが、一方で、歯と歯の間など複雑で入りくんだ場所、こういう場所には、電動歯ブラシの歯ブラシの先がなかなか当たらないのです。もうすごい勢いで歯ブラシの先が振動していて、それが歯と歯の間の入りくんだところにうまく入り込んで当てるのは難しいのです。それはむしろ普通の歯ブラシを手で持ってやったほうがきれいになっている確率がとても高いです。そういう観点から考えて電動歯ブラシを使うのであればいくつか工夫が必要かと思います。

その一つとしては、例えば朝は電動歯ブラシを使う。昼と夜は普通の歯磨き、歯ブラシを使う。そして特に夜なんかは手で持った歯ブラシでよく歯と歯の間、歯茎の際などおそらく電動歯ブラシで手の行き届かない難しい部分を丁寧に仕上げる。というようなことを意識することです。
あるいは別の方法として、まず電動歯ブラシで全体を磨く。その後念入りに難しいところだけ手で持って普通の歯ブラシで磨いて仕上げをする、と言うような2段階で構える。
などが考えられます。

いろいろな患者さんから質問されるのですが、そのような話を聞いていると、どうして患者さんが電動歯ブラシを使いたがっているか、それは今自分の磨き方はまだ不十分でちゃんとできてないのではないか?だからもっと丁寧にしっかりやろう。そのためにより高度でレベルの高い方法として電動歯ブラシを使った方が良いのではないかと思っている、ということなのです。このような場合は割合安全です。というのもよりきれいにしよう、自分はまだまだ足りないと油断していないからです。

一方で、とにかく時間を節約したい、簡便に済ませたいと思っている人は危険ですので注意が必要です。ですが、やはり多くの場合、自分の歯をしっかり守ろうと思って、電動歯ブラシを手にしていることが多いです。(それは人からもらったりとか、与えられた場合でないと言う状況の中です。というのも電動歯ブラシってちょっとしたプレゼントとかでもらったりすることもあるものなので、自らの意思で電動歯ブラシを使ったほうがいいんじゃないかと言う考え方で始めているわけでもない人も意外にいたりするわけなんです。特に今現在電動歯ブラシはとても安く売ってるものもあります。ちなみに私はこのような安いものはあまりお勧めしていません。ほとんど意味がなかったり、逆効果であったりするからです)話を戻すと、電動歯ブラシでしっかりメンテナンスしていこうと自分で思っているのですが、やはり人間ですので、だんだん油断ができてきて、ある程度機械でしっかりやってるからまぁ大丈夫だろうという錯覚が起きてきて、その錯覚がやがて大きくなり、電動歯ブラシだから、3分やらなくても1分でも大丈夫だろうとか、まぁしっかり昨日夜やったから、朝はまぁやらなくても大丈夫じゃないかとか、どんどん甘えていくわけです。知らない間に大きな誤解のレベルまでなっていくわけです。

以上まとめとなりますが、電動歯ブラシは歯科医院で売っている専売のものを使われることをお勧めします。何がいいかを選択するのはなかなか一般の方では難しいと思うので、ご自身のいかれている歯科医院でどれが良いのか、また使い方のアドバイスも受けた方が良いでしょう。多くの場合、使い方はその箱の中に説明の紙が入っていることが多いです。そして電動歯ブラシだけではなく、手で持って普通の歯ブラシで磨く仕上げをする。さらにいうと、糸ようじやフロス、歯間ブラシなども使うということお勧めします。このような事は特に歯科衛生士が詳しいので、定期クリーニングを受けている方は、歯科衛生士にアドバイスを聞くことがとてもパーソナルな情報が得られることになります。ご自身に合った状況のアドバイスをもらってください。

歯科衛生士がお勧めする音波歯ブラシとは。電動歯ブラシではなく。

2023年12月7日

先日、電動歯ブラシで磨くことは1つの良い方法であると言うことをお話ししました。今回はもう少し電動ブラシに関して突っ込んで説明をしていきたいと思います。

電動歯ブラシはドラッグストアなどに行くと、いろんなものが売っていますよね。どれがいいかよくわかりにくいと思います。そうなんです。で、まぁ結論から言いますと、音波ブラシと言う動き方をするものをお勧めしています。

そうすると、よーく見てみると、中には超音波と書いてあるものがあります。で、この超音波はやめておいた方が良いのです。超音波よりも音波なのです。わかりにくいですよね。普通一般的には、音波と書いてあるよりも、超音波と書いてある方が良いような気がしますよね。ですので、一般の方が何かどれが良いかを判断するのが難しいのです。

音波と超音波という言葉を比べると、意味が違うわけです。音波よりも超音波の方が激しく動いているのです。ですから超音波の方が良いとつい思ってしまうかもしれませんが、電化製品としての世代的なことを言うと、初期に電動歯ブラシが出て、その後に超音波歯ブラシが出て、その後に音波歯ブラシが出ているのです。そもそも電動歯ブラシとして、ただ電動で動いているだけよりももっと細かく動いてしっかり汚れを取ったほうがいいだろうということで、超音波と言う動きが作り出されたのです。ですが、色々と研究が進むにつれて超音波と言う動きでは実は汚れが意外に取れない。動きが激しすぎてうまく取れていないということがわかったのです。それでそれを少し制御した動きとして音波という動きが新たに製品として出てきました。すなわち超音波より少し抑えた音波の動きの方が汚れはしっかり取れるということなのです。

多分どこかのビックカメラとかで、歯ブラシのことを聞いても、今私が書いたようなことを説明する店員さんはおそらくいないと思います。電化製品のお店なんだから、詳しいと思うかもしれませんが、ものすごい数の電化製品が売っていて、それぞれの違いと言うものを正確に説明をすると言うのはなかなか大変なことです。ですので、正直何が本当に良いのかをわからずに、店頭には並べてあるということです。決して悪いことではありません。専門的すぎてそれはもうどうしても難しいのです。ですから、やはりあなたの行っている歯科医院で、歯科衛生士にパーソナルなアドバイスを受けることなのです。当院でも受付で音波歯ブラシが販売されていますが、受付のスタッフはわからないことがあれば、歯科衛生士やドクターに聞いてきます。それから患者さんにそれを買うべきかどうかをアドバイスしています。

そしてさらにこのような電動歯ブラシ、特にまぁ今回お勧めしている音波歯ブラシもそうなのですが、力強く歯に当てたり歯茎に当てる事は必ずしも良いことではありません。むしろ歯に当たっているか当たっていないか位のギリギリそっと当てることなのです。ちなみに歯茎に当てるのはやめたほうがいいです。歯茎が削れていきます。

この音波歯ブラシなのですが、振動している歯ブラシの部分をしっかりと強く、歯に当てれば当てるほど、汚れがたくさん取れて、きれいになると勘違いしていませんか?そのような理屈でこれは作られたものではありません。歯ブラシの毛先を軽くそっと当てる位。それで特殊な音波の動きで毛先が振動しますので、それで汚れをとっていくのです。力を強く当てれば当てるほど、実はこの音波の効果が出ません。もしあなたが今までしっかり強く当てていたとしたら、強く当てた方がいっぱいきれいになるんじゃないかなぁと思って頑張っていたとしたら、今日から改善です。当たっているか当たっていないか位のソフトタッチでお願いします。このように私が今説明していますが、最初の1週間ぐらいは実行することが可能でしょう。ですがやはり人間ですのでいつしかまただんだん強く当てていき、何とかきれいにしようと言う気持ちが流行ってきます。抑えてください、気持ちを。先程来私が何度も言っている話、超音波ではなく音波、これは強ければ強いほど何でも良いということではないと言う話でしたよね。歯ブラシの当て方も強ければ強いほどきれいになるということではないと言う話なのです。

どのように利用すると良いか、どのようなものを選ぶと良いかと言うのは、意外なところに良き答えがあります。またわからなければ、歯科衛生士に聞いてみてください。

歯科衛生士の定期クリーニング、歯茎の溝をいかにきれいにするか

2023年12月3日

先日いつも歯科衛生士の定期クリーニングを受けている患者様から質問がありました。

院内で歯科衛生士が約20分ほどのお口のクリーニングをするのですが、その際確認に行った際に、定期クリーニングを受けていても、虫歯になったりするのでしょうか?と言う話が出ました。
というのもこの患者様はいつも4ヶ月に1回ほど定期的にこられていたのですが、ある時、突然、歯の神経がとても痛くなり、結果的にその歯の根の神経の治療をしなければならなくなったことがあったのです。

そうなると、このクリーニングを定期的にすることの意味合いとは何でしょうか。1つは歯周病の予防です。予防といっても正確に言うと、進行を抑止するためのアンチエイジングと言う言い方ができると思います。20歳を過ぎてから人間の体の老化が始まると言われています。お口の中の場合、歯の周りの歯茎や骨は1年間に約0.1ミリ減っていくと言われています。0.1ミリと言えば10年経てば1ミリ、30年経てば3ミリ減っていると言うことです。ですが、先に出てきた定期クリーニングを受けていれば、この減る度合いを抑えることができたりします。0.1ミリ減るのではなく、0.05ミリに抑えられたりとかということです。ですので、確かに予防なのですが、予防したから全く悪くならないと言うような意味ではなく、0.1ミリ減るのをより減りにくく、抑えて0.05ミリの半分に抑えられたと言うことです。そうすると歯周病の進行を抑えていると言うことになります。この予防処置は皆さんぜひとも受けたほうが良いと考えます。

また虫歯予防と言う観点があると思います。定期的に細かいところを掃除していれば、虫歯になるリスクは落ちるということです。無論100%虫歯にならないということは言えないのですが、定期クリーニングを受けている人と受けていない人では、10年先に歯の喪失本数が倍以上違うと言うデータもあります。虫歯にならないためにも定期クリーニングを受けることをお勧めします。ですが、定期クリーニングさえ受けていれば、虫歯にならないということでもないですし、もちろん歯を磨かなくて大丈夫だということにはなりません。

そこでもう少し歯の定期クリーニングのイメージをより具体的に、そして本質的な部分を伝えていきたいと思います。歯の定期クリーニングは、歯の表面をつるっとさせると言うことを目指しています、つるっとしていれば、さらに汚れはつきにくいし、気持ちも良いですよね。お口の中が快適です。そして歯の周りには歯茎の溝があります。この溝がいかに綺麗であるかが重要です。どんな人でも歯の溝はあります。溝の深さは約4ミリ位あると言われています。健康な人で。健康であり、歯周病にかかっていなければ、4ミリ以下ということですが、汚れている、歯周病の傾向がある、病的である、と言うような状況であれば、その溝は5ミリ6ミリと増えていきます。

そしてこの溝の中を自ら歯ブラシできれいに掃除すると言うのはとても難しいのです。ちなみに電動歯ブラシを使ったからきれいになるかと言うと、それでもやはり難しいし、水流などを応用したウォーターピックなどでも実はあまりきれいにはなりません。このような器具は使うと快適な気分にはなりますが、本当に表面がつるっとした安全な状態になっているかどうか、それはなんとも疑問が残るのです。

例えば、車の洗車をしてワックスをかける。そうなると汚れも少なく、しかもコーティングされているので、その先汚れがつきにくいですよね。つるっとしたピカピカの状態ですしかしこのワックスが剥がれ、だんだん汚れがつき始めた状態を放置しておくと、さらにどんどん汚れていくのではないでしょうか。ですので、時々きれいに洗車したいですよね。歯も同じです。きれいにつるっとした状態に戻してあげたいのです。そして特に歯の溝は自分でやるのは難しいです。これを歯科衛生士が専用の器具を使ってできる限り、つるっとした滑沢な状態になるように機械などで磨いているわけです。そうすると溝の中の面がざらざらしているのではなく、つるっとした状態であれば、汚れはつきにくいです。この自分自身で磨きにくいところ、メンテナンスしにくいところをまさにやることがとても重要な意味のあるところです。

最初の話に戻りますが、歯の神経が悪くなったということに関しては、虫歯でなる場合もあれば、歯周病の進行でなる場合もありますし、それ以外にも親知らずがあって、押している場合、噛み合わせが強く歯ぎしりをしていた場合など、様々な状況があり、必ずしも新たに虫歯ができたから、神経が悪くなるわけでは無いのです。そのようなことから、歯の定期クリーニングを受けてさえいれば、神経は悪くならない、とは言い切れないのです。そしてリスクを下げることはできるのですが、100%と言うわけにはいきません。

このようなことから、どんなに車をきれいに洗って、ワックスをかけても、いつかはそのボディーは悪くなっていきますよね。それと同様なのです。様々なことがあり悪くなるリスクはあります。ですが、だからといって掃除しないと言うのはもったいない話ですいつもきれいにつるっとした状態で、快適に気分良く生活したいものです。

歯科衛生士の院内教育、技術について

2023年11月23日

あなたは、歯科医院に定期的に通っていますか?

歯科医院に定期的に通ってやる事は何か、それは歯科衛生士における定期的なクリーニングのことです。予防の掃除です。もしあなたが自分の車を2年も3年も全く洗わなかったとしたらどうなると思いますか?とっても汚れて、もしかしたら痛んでるかもしれないですよね。車検を受けないまま5年乗り続けてオイルも交換していない、大丈夫だと思いますか?やはり時々はチェックしたり、定期的なお掃除、手入れしてあげたいですよね。そのほうが安全ですよね。

私は人の体が清潔であるとか細菌が少なくて、安全である…お口の中で言えば歯の側面や溝のあたりがつるっとしていて、気持ちが良い、こういうことがとても大事だと思ってます。そしてそういうことが人の人生の豊かさを作っていると思います。

ですので、ぜひとも皆さんには定期クリーニングを受けてほしいと考えています。
そこで、その定期クリーニングと言うのは歯科衛生士が行う処置です。その歯科衛生士の定期クリーニングの処置のために院内では教育を行っています。具体的には2ヶ月に1回ほど外部から講師に来てもらい歯科衛生士の実技のトレーニングをやってもらっています。手がうまく動くことも大事です。いかに効率的で合理的にお口の中をきれいにできるのか。そして痛くなく。もっと言えばどうやったら患者さんが気分良く、その定期クリーニングを受けられるのか。いわばエステに行っているかのように。何となく気分良く、昼寝のような気分になれるか。

どうしても一般的には歯科医院に行くと痛い怖いというイメージがあると思います。そういう中で気持ちよく患者さんに通っていただく、特に虫歯があるわけではないのに、歯科医院に来いという事ですので、もしそれが歯を削っているわけでもないのにもかかわらず、とても痛かったら。それはちょっと残念となってしまいますよね。技術の研鑽がとても大事となってくるわけです。実際の歯科衛生士の研修の際には、技術のトレーニングを受けているわけですが、様々な実際の臨床的な質問はたくさんディスカッションされています。自分が見ている患者様がこのような状態でどうしてもこういう時にうまくできないと具体的な質問がよく出ています。このような患者様にどのように説明したら良いのでしょうか?とかです。

そして、私たちは学校を卒業すると、それ以降勉強しないと言う状況が起こりやすいです。
仮に勉強しなかったとしても、様々な社会を通して実学を学ぶと言う環境は確かにあるとは思うのですが、歯科医療は専門医療ですので、専門家としての学びがどうしても常に必要であると私は考えています。

それは新しいことを常に学んでいく、医療ですから、日々進歩していきますので、新しい技術、新しい認識、知識、見識を得ていくという事はとても必要だと思います。

あともう一つ学ぶことでの何が大切かというと、私たちはどうしても忘れていくと言うことです。いつの間にか忘れてしまう。せっかく学んだのにもかかわらず、常にいろいろな勉強していないとだんだんだんだん記憶はあやふやになっていきます。例えば包丁はいつしか、だんだん切れ味が落ちていきます。ですから、時々手入れをして切れ味を良くしてあげることが大事です。

歯科衛生士学校で学んだことが、だんだんといつしかあやふやになったり、いまいち自信がないようなことになっていたり、そういう意味において、確認復習ということもとても大事だと思います。

歯科衛生士学校を卒業して、お疲れ様といいたいところなのですが、また新たな成長が待っているのです。

歯科衛生士の予防処置とマナー教育について

2023年11月9日

あなたは歯科医院にて歯の治療を受けたことがあるかもしれません。多くの人は歯科医院で治療したことがあるのではないでしょうか?では歯科衛生士による歯の予防処置を受けた事はあるでしょうか。

おそらく今現在、歯科衛生士の予防処置は多くの歯科医院でだんだん行われていますので、1回や2回は受けたことがあると言う人もいるのではないでしょうか。さらに定期的に、例えば4ヶ月にいっぺん、半年にいっぺんとか通って歯科衛生士の予防処置を受けている、そのような方はどれぐらいいるでしょうか?

日本ではこの予防処置がまだまだ定期的に受けている人が少ないと統計的には言われています。人口の約10%ほどではないかと言う数字もあります。一方、海外では例えばヨーロッパあたりでは30%とか40%ともっと何倍もの高率で受けているようです。

クリーニングとは単に検診をすると言うことではありません。検診と言うのは、虫歯があるかないか、歯周病の程度がどの程度になっているか、レントゲンを撮る、などあくまで検査です。検査をしてその結果でどうするのかと言うことを判断していくと言うことです。

一方、予防処置、定期クリーニングと言うのは、処置を行うことなのです。その処置とは歯科衛生士による歯のお掃除、メンテナンスです。この予防処置は歯を削るような事はありません。治療ではないと言うことです。ちょっと、もしかしたらわかりにくいかもしれませんが、違いがあるのです。治療と予防処置は違います。治療は基本的にはドクターがおこないます。

例えば、歯を削ると言うことです。あるいは歯を抜くと言うことです。悪い状態であれば何らかの医療的治療を行うわけです。一方、歯科衛生士による歯のクリーニング、予防処置と言うものは、歯を削っているわけではなくて歯についている汚れ、歯石などを機械で剥がしていき、きれいな状態にお掃除しているわけです。もしこれを家の工事で、例えば家の壁が壊れていれば、そこを新たに削ったり壊したりして新しい壁に完全に作り直す必要があるでしょう。しかし多少の傷や汚れであれば大きく壊す必要もないですし、そこを一生懸命磨いたり、新たにコーティングなどをすれば良い状態をキープできるわけです。

ですので歯科衛生士による定期的な予防処置は、基本的にあまり痛くはないし、ましてや強い痛みはないです。ですので、ぜひとも皆さん定期的に受けられることをお勧めします。

さて、当院ではこの歯科衛生士による定期クリーニング、予防処置に力を入れていますが、そのために歯科衛生士は、日々様々な研鑽を積んでいます。この研鑽の1つとしてマナーと言うものを特に勉強したりしています。もちろん、技術的なスキルアップも大切なのですが、マナー、患者さんとのコミュニケーション、接遇挨拶、立ち振る舞い、身なり、姿勢などは、入り口としてまず大切なことだと考えています。

そのために歯科衛生士を始め、多くのスタッフはマナー講師による教育を年に数回受けています。日曜日など休みの日にマナー研修講座を受けに行くこともありますし、院内においてマナー講師に来ていただき、皆で勉強しています。おそらく多くの年配の患者さんからしてみれば若い歯科衛生士は言葉がいまいち非常識であると感じたりするかもしれません。敬語がうまく使えない、もしくは敬語を一生懸命言おうとしているのだが、いつの間にか友達に話すような言葉が突然出てくる、やはり社会経験が少ないため、このような事は時々練習をしなければ上手くはなりません。また学校教育でもある程度は勉強しているのですが、やはり経験の数と言うものがどうしても大切だと思いますので、定期的にトレーニングをしていくわけです。

まだ拙い部分もありますが、若いスタッフが勉強していると言う事は、最近の世の中の流行の中では、ずいぶんと微笑ましい事ですので、どうぞ応援してあげて欲しいものです。

The person in the closeup is smiling and has white teeth, indicating they have good dental hygiene. The aquiline nose is a prominent feature, as is the high level of detail in the face. It is clear that the person has had some sort of facial implants, most likely to improve their appearance. The dog in the background is also in profile, and its breed is unclear.

アインシュタインの名言と歯科治療

2023年10月1日

あなたはアインシュタインを知っていると思います。かの有名な物理学者です。アインシュタインは数々の名言を残していますが、この天才的な相対性理論で有名な学者です。物理学者ほどの方が、人が幸福になるために大切なこととして1つの要素を伝えています、それは、なんと、口を閉じて呼吸すること、と言っているのです。アインシュタインは医者ではありません。希代の天才と言われた方が、様々な人生の経験の中で、そのようなことを結論づけたのだと想像しています。

我々歯科医師からしてみれば、これは非常に本質をついた一言であると捉えています。呼吸をどのようにするかによって人生は大きく変わると思います。もしその人が一生口を開けて口で息をするのか、もしくは口を閉じて鼻で息をするのか?これを想像してみたら結論は簡単だと思います。あなたもおそらく感じると思います、毎日毎日ずっと口を開けていたら、喉が枯れて体がおかしくなりそう、そう思いますよね。さすがに毎日ずっと口を開けて息をしつけている人は少ないように思いますが、どうでしょうか。実際にはよく周りを見ていると、なんとなく口が開いてゼーゼー言っている人っていますよね。そうなんです。現代人は結構習慣的に口を開けて口呼吸になっている方が多々見受けられるのです。そして意外にも長い時間1日の多くの時間を口呼吸しているのです。非常に危険なことです。

特に子供です。子供の時から、具体的には一歳、ニ歳そのような歳の頃からずっと口呼吸をしていて、これはとても危険なことです。ですが、不思議な位なぜかそのようなお子さんを見ます。それは1つにまず、一般の方が口呼吸は良くないと言うことをよく理解していないし、また意識もしていない。そして子供を育てている親自体が意外に口呼吸をしているのです。ですから、なんとなく子供も口呼吸になるし、そのような環境で過ごしている日常生活の中で、口呼吸が良くないと言うことを思わずに生きているのです。結果、習慣としての口呼吸というのが頻繁に起きていると思われます。

特に小さいお子さんの場合は、なんとなく軽く口を開けて息をしているだけだと、かわいい顔に見えるので、それで周りの親たちは大喜びしながら応援しているようです。もしこれが口からどんどん唾液が出て、場合によっては食べ物まで出てくるなどと言うような状況であれば、これは病院連れて行ったほうがいいんじゃないだろうかなどと思うかもしれません。ですが、そのような特殊な場合は少ないと思います。多くの場合、ほんのちょっと口を開けているに過ぎないからです、そして、そのような子たちが3歳4歳となったときに、保育園や幼稚園に入って、これがまた、なんと周りの子供たちもみんな口呼吸をしているので、口呼吸に疑問を持たずに、皆、そのような環境で生き続けるのです。そして、アレルギーや喘息、様々な疾患の予備軍へとなっていくのです。

私は常日頃、矯正治療の患者さんを見ていると、小学生、中学生位などのお子さんたちがなかなか口呼吸のまま呼吸の改善が見受けられません。そのような子たちに口酸っぱく、鼻で息をしなさい、口を閉じてねと伝えています。無論大人の矯正患者さんにもそのような事は僭越ながら大変しつこく伝えています。で、そのような患者さんたちはよくアトピーの方を見受けます。そしてアトピーなので、大抵の場合、皮膚科、耳鼻科等へかかっていたりするわけです。で、そこで行われている事は、何かと言うと、肌の症状に対して、何らかの塗り薬や飲み薬が出ている、鼻をよく通すための飲み薬が出ていたり、吸引が行われていると言う事かと思います。ですが、先ほど冒頭で述べたようにアインシュタインの言うように、経験的に、実はもう過去からわかっていることなのです、まずは口を閉じて鼻で息をすることです。それができないから困ってるんだ、と言う声が聞こえてきますが、私は患者さんにこのように伝えています。最初は鼻で息をするのはとても大変だと思います。しかし少しずつでいいから繰り返し、1分でもいいから鼻呼吸をしてまた少し休んで、鼻呼吸をしてください、ほんの少しずつでいいのでやり続ければだんだんできるようになっていきます。そしていつしか鼻呼吸ができるようになります。体を治すという事はそういう小さなことの繰り返しからスタートで良くなっていくものです。例えばいきなりプロのサッカー選手になれるわけでもなく、最初は全然上手に蹴れないボールを必死に練習してずっと練習し続けているはずです。

すべてのアレルギーやアトピーが鼻呼吸をすることによって治ると言う事は当然ありませんし、口呼吸以外の原因で、そのような病気になっている方もいっぱいいる事は事実なのですが、私も経験的にわかっているのです。何年もの間、小学生からずっと見てきてしつこい位鼻呼吸をしなさいと言って、ようやく鼻呼吸をするようになってから、アトピーの症状が消えてきている患者さんと言うのは多く見ているのです。私は皮膚科医ではありませんので、アトピーに対する皮膚科的な治療をしているわけではありません。アトピーに対する薬を処方することもありません。ですが、その子たちは長きにわたってずっと病院にかかっているわけで、その間ずっとアトピーの治療を様々な処方薬等で受けていたわけです。しかしなかなか改善しないし、呼吸も安定もしていませんでした。ようやく本気になって鼻呼吸に取り組んでくれて、鼻呼吸ができるようになった時、顔色は全く変わっていました。とても嬉しい瞬間でした。

すべての患者様がそのような形をたどると言うわけではありませんが、鼻呼吸をして人生の幸せをつかんでほしいものです。