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dental implant 3d rendering

インプラントとかぶせものをつなぐ中間のネジ

2023年4月20日

インプラントはいわば歯の根の代わりです。インプラントは骨、歯茎の中に入っていて実は本来であれば歯の根があったのにもかかわらず、今はない、そのなくなった根を代わりにインプラントと言う人工物で根の土台部分をしっかりとまず安定させるわけです。そしてその上にはセラミックの白い歯が入ってくるわけです。

ではそのインプラントと歯のセラミックはどのようにしてくっついているのでしょうか?

接着剤でくっついていると思う方もいるかもしれません。そうですね、確かにそのような方法でつけている場合もあります。ですが今最も主流なのはインプラントと歯のセラミックを中間でネジを用いてジョイントさせる方法が最も主流であります。

そうなると実は結構ややこしい話になってきて、インプラントとセラミックは単に接着剤でくっついているだけではなくて、その見えないわかりにくい部分の真ん中あたりに中間構造としてジョイントのネジが入っているのです、なんとインプラントの中にまたネジが入っていると言うことです。このようなタイプのインプラント治療は今最も多く、ほとんどがこのタイプになっています。

ちなみに以前はそのようなタイプでは無いもの、下の根の部分と歯の中間部分までが全て一体となっているようなタイプのものも結構の確率あったのですですが、そのようなものは今はかなり減ってきていています。どうしてそのようなことが起きているのか、1つはインプラントを入れて10年位でそれを終わると言うようなスパンで治療が考えられなくてもっと長い20年とかと言う単位でそのインプラントを利用すると言うことを想定して設計がされているからです。そのような長い治療期間を想定するとなると途中で、上のセラミックの歯を交換したり、いちど被せ物を外して歯茎の溝のメンテナンスしたり、様々な手を加えると言うことをがあるわけです。そのために一体型ではなくピースに分かれるような構造となっていて、そのピースに分けるために中間にネジがあるのです。

この中間のネジがあるおかげで以前にも少し話しましたが、ダイナミックな治療ができるわけです。それはすなわち、そこにインプラント入れたときには上にセラミックをかぶせてそのまま大事に使っていたんだけれども20年近く経ってその上の被せ物を外しそこに歯を入れるのではなくて磁石を入れて入れ歯を安定させようなど、長い長い人生の中で状況が大きく一変していてもそこを引き継ぎながらうまく活用できると言う、そのような設計が後々できると言うことを想定しているのです。

例えば20代に若くして歯を失って一本インプラント入れているなどと言うことがあるわけです、しかしそれから長い年月が経ち60代になったときに歯周病なのでたくさんの端を失っている時、その以前に20代の時に入れたインプラントと新たにもう1本インプラントを足してインプラントのブリッジを使って3本分歯を入れるなど、後から様々な複雑な設定に対応することができるようになっているわけです。ですのでこの中間部分のネジがあるおかげで後のちに噛み合わせの変更をするなど大きなダイナミックな治療計画の変更の際にとても役に立っていたりします。またもし万が一、介護等が必要になった場合にいったん上の被せ物だけを外してメンテナンスだけをするような状態にしてしまうなどと言うこともできるわけで、様々なシーンにおいて役立つことが想定されています。

ではこの中間部分のネジに関してこの構造に関しての弱点は何かあるのでしょうか?

これは実は多少ありまして、といってもそれを述べる前にここを十分強調しておきたいのですがそれにも増してこの中間部分の二重構造を使う事は現状では最大のメリットを生んでいるのでこの構造のタイプをほぼ間違いなく選択します。話を戻しますが中間タイプを使う場合にはセラミックの歯の表面の真ん中あたりに、小さなネジを通すための穴のような構造が存在することになります。ですので歯の表面をよく見ると、段差があることがわかることがあります。このネジの構造は前回の話ででてきましたハイブリットセラミックタイプで埋めて穴がほぼわからないようにしてしまうのですが、よくよく見ると若干ここに何か段差のようなものがあるかな?と言うふうに見えることもあるわけです。この見た目の欠点が起きることがあります。

またこれはかなり稀ではあるのですが、かなり力の強い人の場合、中間構造の中のネジなどにヒビが入ることがあります。しかしこれはこのタイプを使わなかった場合は他のところにヒビが入るので結局は同じことであると考えられます。

今回の話をまとめますと、インプラントのかぶせ物のセラミックの真ん中あたりには小さな中間ネジを通すための構造があり、その構造部分はハイブリットタイプのセラミックで埋められているが、人によってはよーくよーく見るとそこに何か割線のようなものが見えたり段差に見えたりすると言うことが起きてしまい、気になると言う人もいると言うことです。ですがそれはほとんど目立つこともなく機能に影響与えるわけでもなく、これが現在最も優れた方法の1つであると言うことになっています。またこのタイプは接着剤をあまり使わない付け方になるために、歯周病にも悪影響与えないということが良い点であるとされています。

Prosthodontics or Prosthetic

インプラント治療とあなたのかぶせ物はどうして割れるのか?

2023年4月16日

インプラントの治療をした際に、上にはかぶせものをつけるわけです。かぶせ物とは歯の形をしたもののことです。この歯の形の人工材料ですが、種類がいくつかあるのですが、大別していいますとゴールドなどの金属、セラミック、プラスチックなどが考えられます。

私のオススメはセラミックです。他の材料の問題点について少し触れていきたいと思います。かぶせものを金属で作る事は最近ではかなり減ってきています。海外ではほとんど少ないです。日本ではまだまだありますが、世界の潮流を考えるとかなり時代遅れともいえます。金属アレルギーの問題もありますし、かぶせ物ほどの大きさのものを金属で作るとなると、その金属の安定供給と言う問題において様々な課題があるのです。今現在金の価格は安定しているとは言えなく、いざ作るとなった場合にその作ると言い出した時点と最終的にできた時点で金属の金の価格が大きく変動していることがあるわけです。

こうなるとかなり安全圏を取った高い価格設定でなければ金などの材料を使ったかぶせ物を作るのは難しいと言うことになってしまい、医療には適していないと言うことも考えられるわけです。ですが最大の問題点はやはり金属アレルギーの点だと思われます。実際に大学等の研究でもデータを出す際には、セラミックでほとんどが行われており金属のかぶせ物を使っての臨床試験と言うのはほとんど論文発表されないような状況になっています。そうなると金属で最終的なかぶせものを作ると言う医療行為自体が評価がないためにどんどん減っていくと思われます。

金属自体が材料として決して悪いわけでは無いのですが、最新の現代の医療と言う観点からすると金属でかぶせると言う事はあまりお勧めできない状況にあると言うことです。また当院では、インプラントで治療した場合にはその上にかぶせ物を入れる場合には、現在でははほぼセラミックでかぶせています。

次にプラスチックタイプですが、このプラスチックタイプはなぜあるかと言うと、1つは安価であると言うことが考えられます。他の材料よりも。あと、調整する際に割合簡易的であると言う利便性の問題、さらにはもし万が一かけたりした時などにお口の中で簡単に修理することができる場合があるなどです。ですがやはりこれもあまりお勧めできません。プラスチックタイプの問題点として非常に心配な事は、プラスチックが吸水性があるためにどんどん水を吸っていき、色が変色したり、細菌がその中で進んでしまい繁殖すると言うことです。

お口の中で余計な細菌が増えていく原因となることが考えられるからです。また次に摩耗していくことです。摩耗する事はある意味、利点でもあるのですが、スピードがかなり速く、力の強い人などの場合には問題があると考えます。

このような点から現在ではセラミックが最も良いと考えています。実はインプラントの上のかぶせ物に限らずどのような治療でも、かぶせる場合にはセラミックを第一選択とするのが良いと思っています。

ではセラミックに問題は無いのかと言うことに関して少し深掘りしていきたいと思います。セラミックでよく以前から患者様に言われる事は、かけると言うことです。セラミックと言うものはいわば言ってみれば陶器、瀬戸物のようなものであるとも言えるわけです。皆さんが使っているお茶碗は陶器でできていると思いますが、これはそんな簡単に割れたりはしないのですが、長期的に使っていればいつか何かの拍子にぶつけてしまいかけたりなどあるわけですね。それで今現在はで使われているセラミックはそのようなことも考慮してかなり特殊なものが使われています。1つはほぼかけることのない材質でできているタイプ。とても強度にセラミックが固めてあると言うことです。この硬さは踏んづけても割れないと言う位硬いと言われています。実際は踏んづけると言う事は無いわけですが、私たちが噛んでいる力は大体普段は50キロ位と言われていますこのようなレベルの力で欠けるような事はほぼないと言うことです。

ちなみに普段起きているときに噛んでいる力は50キロですが、寝ているときには200キロ位の力が実は出ます。この200キロと言う力になると最新のセラミックでも人によっては欠ける人もいます。夜間寝ているときに歯ぎしりする、知らないうちに食いしばりしている、このような方は就寝時にマウスピースを使うことをおすすめします。これは何もセラミックを入れているからとか言うだけではなく、自分の歯自体が欠けたり、歯周病が進行したり、顎の関節に無理の力かかったりなど様々な症状が起こるからです。

話を戻してセラミックにはもう一つタイプがありそれは先程はとても硬く丈夫に作ってあると言うタイプのことを言いましたが、その逆に、セラミックとプラスチックを混ぜたハイブリットタイプと言うものがあります。これは硬い部分と逆に柔らかくてある程度柔軟性に富むと言う2つのものを利用することによっていいとこ取りをしようと言う材料です。私の個人的な見解としてはこのハイブリットタイプは必ずしもインプラントでは使わないです。このハイブリットタイプの材料はごく狭い小さい範囲であれば非常に強い効果を発揮すると思います。ですが歯全体をフレームワークとして作る場合は先程に述べた十分に硬いタイプのセラミックが良いと考え選択しています。

他にも様々なセラミックが実はあるのですが今言ったようなものを中心に考え適したものを選択しています。

以上をまとめますと、割れないためには最新のセラミックをうまく活用すると言うことです。そして歯ぎしりや食いしばりなどが考えられるので必要に応じてマウスピースを使うと言うことです。単にその1つの歯が欠けると言うことではなく全体のバランス噛み合わせを考慮して状況を判断していくことが大切です。