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抜歯とインプラント

2024年7月7日

先日インプラントをある患者様に行いました。
この方は右の下の奥歯に2本のインプラントを入れて、3本分のブリッジで仕上げる予定の治療計画でした。ただちょっと変わった点が1つありまして、それはこのインプラントを入れる場所にグラグラの歯が残っているまま、インプラントの治療を当日に迎えたのです。
どういうことか、本来であればまずグラグラの歯を抜きます。そして、グラグラの歯を抜いた後の歯茎が2ヶ月ほど経てば、だんだんと平らになってきて治ってきます。治ってきてからインプラントの治療が進んでいくわけです。
ですが、この患者様はこのぐらぐらの歯でも抜くと寂しいので、インプラントの当日に抜いて、その日にインプラントを進めることはできないかと言うことで相談があったのでした。
このような方法を抜歯即時といいます。何らかの事情があって、インプラントをやる当日に歯を抜き、そして抜いたところを可及的にその場できれいに仕上げ、かつその場所にインプラントを入れ、そこの穴部分の処理をして糸で縫って仕上げると言うやや複雑な方法です。このような治療法は前歯などではよく行われる方法です。前歯の場合は歯がないととても恥ずかしいとか、いろいろな状況が起こりやすいのでそうなるわけです。
しかし基本的な考え方としては、まず一旦歯を抜き歯茎を治す。歯茎を治してからインプラントをやると言う順番が妥当なのです。基本的なやり方の方が間違いがないからです。ですが、どうしても人間事情がありまして、いろんな気持ちがあるわけです。
この患者様の場合、明らかに先に抜いてもいい位、ぐらぐらで、かつやや奥なので、さほど目立つわけでもないので、先に抜いてしまってから基本的なやり方でやってもいいのかなと思いました。しかし、インプラントをやる相談の段階でどうしてもギリギリまで残して欲しい。自分でもこの歯が役に立ってるとはとても思えないが、それでもその抜歯即時の方法でできるならその方法を選択させてほしいと言う相談があったのです。
このような治療計画を立てる場合には、事前にCTや3D写真などの特殊の検査をしっかり行い本当にその方法がうまくいくのかを検討することになります。抜いた直後にどのような形の骨になるのか、インプラントと合うのか、そしてその凸凹が残っている状態で、インプラントを入れて、その凸凹をインプラントのオペをする。当日に凸凹の処理ができるか、骨がたくさん減ってしまうような事はないか、歯茎が安定するかなど様々なことを考慮していきます。あるいは痛みが強く出たりしないか腫れたりしないか感染が起きないか。
この方法、抜歯即時はすべての患者さんにできるわけではありませんですので、必要な時だけ行う。あるいは抜歯即時をした方が治りが早く時間のロスも少ない、骨の吸収も少ない、と言うような場合が5%位の症例にはあるので、そのような場合はそれをこちらから提案していることもあります。
このインプラント手術、特に問題なく終わりました。抜歯した直後にインプラントを入れたのですが、インプラントの埋め込んだ安定感もがっちりとしていって安心できる状況でした。今後最終的に歯が入るのはまだ3ヶ月ほど先になるかと思いますが、私自身、かぶせものが入って、自然な噛み合わせの歯になることが今から待ち遠しいです。
インプラントの治療と言うのは、長い時間の中で自分の歯を悪くしてしまい、歯を抜かざるをを得なくなったという歴史あっての話です。その人なりの歴史の中での気持ちというものがあるので、単に技術だけの問題でもなく、その気持ちの流れを考えてやっていくということがとても素晴らしい医療だと思っています。

歯がたくさん残っている高齢者

2024年4月14日

こんにちは、人生100年時代と言われています。皆さんできれば長生きしてほしいと思っていますが、健康で長生きして楽しい人生を送りたいものです。その中で歯がしっかりとたくさん残っているのか、あんまりないのかと言うのは、大きな大きな差になるんではないかと言うのは想像に難くないと思います。

口や歯の果たす役割とは何でしょうか?例えば食べること、飲み込むこと、話すことそして表情や気持ちを伝えること、などが考えられます。そうするとやはり歯がたくさん残っていれば、幸せな人生ですし、そうでなければ今言ったような事は多少程度が落ちるので、大変苦労する人生の楽しみ方となるのではないでしょうか。

さてある研究結果によると、高齢者でたくさん歯が残っていて、健康であろうと思われる人とそうでない人の2つのグループで調べてみたものがあります。そうすると、お口の中の歯がたくさん残っている高齢者の特徴として1つ大きな特徴がありました。それは大抵の場合、歯並びが良いということです。そのような方には反対咬合の人はいなかったそうです。なんと1人もいないということでした。また開口と呼ばれる、奥歯は割合咬めるのだが、前歯は隙間だらけと言うような噛み合わせの人もいないということでした。この研究結果で驚くのは1人もいなかったということです。ここから言える事は、いかに子供のうち、若いうちに並び噛み合わせを守っておくか、もしくは矯正するかということがいかに重要であるかということを物語っています。

すなわち100年、人生を送ると考えた場合に、子供のうちに歯並びを良くして自己投資しておく事は重要であると考えられます。逆にそうでなければ、高齢者になったときに、歯の本数も少なく、様々な病気にもなりやすい、栄養しっかり取りにくいなど、とても不利な人生のランナーとなっているわけです。

また高齢者になり、歯の本数が減った場合には、お口の噛む力など、様々な能力が低下していくのですが、そういった口腔機能の低下が起きた場合にそれに連動して心身機能が低下すると言う研究も報告されています。このようなことオーラルフレイルと呼んでいますが、このお口の機能が低下することにより、心身の機能がさらに低下していくことが連動していることについてもう少し話をしていきます。心身という言葉を使うわけですから、1つは心、気持ちですね。気力が落ちる。なんとなく鬱になる。夜、ぐっすり眠れない、つまらない寂しいなどです。このような状況になってしまっては残念ですよね。また身の体の方ですが、力が衰える、すなわち筋肉が弱くなる。自分の力では歩けない、付き添い、介添えが必要である。自分1人では生活が不安である。十分な行動力がないために買い物などに行けない。さらにそれで認知機能もだんだん低下していき、人とのコミュニケーションが取れなくなっていくと言うような状況が考えられます。

以上のようなことから、高齢者になって歯がしっかり残っている。もしくは歯を失ったにせよ、入れ歯やインプラントなど何らかの治療により噛み合わせ歯並びをしっかり補っているような状況がとても大事です。これらのことが自分自身の人生の幸せであり、周りの人たちに迷惑をかけないで自活して生きていく大きな要因となっています。

Dentist putting crown onto abutment of dental implant between teeth in clinic, closeup

仮歯が取れてしまう

2024年4月4日

先日仮歯が取れたということで来院された方がいました。その方は下の前歯に4本分の仮歯を入れていて、それが取れてしまい不便で来院されました。

この仮歯と言うのは、実はこの方はインプラントをしていて仮歯が何もないと、なんとなく発音しにくい。なんとなくみっともない。なんとなく食事しにくいということでつけていたものです。そしてこのインプラントの場合には、インプラントの上に直接仮歯をつけるわけでもないのです。インプラントが安定するまでの間は、インプラントの上はあまり力をかけない設計にしておきます。そのため、仮歯は両隣の歯に引っかかるようにして作ってあります。小さな部分入れ歯がプラスチックだけでできていて、くっつけてあるような状態です。ですので、思いっきり噛んだりすると外れてくるような状態なのです。

ですが、それをとりあえず入れておけば、噛めないは噛めないですが日常生活ではとても助かるものです。このようにインプラントをした場合には、何らかの形で仮歯を入れたい場合、上記のようなに貼り付けるようなタイプで行う、もしくは部分入れ歯を作り隠すように、その隙間のところに歯を入れるようなものを活用していただくなどです。

結局この方の場合、噛み合わせを以前より若干緩め、多少当たったとしても噛んでしまったとしても、外れにくいような力のバランスとし、もう一度両隣りにくっつけて使っていただくこととしました。1ヵ月ほど使っていた仮歯でしたが、プラスチックであり、色が若干茶色っぽくなっていました。本人曰く、お茶をとてもよく飲むということで紅茶などですが、色がプラスチックに給水していました。表面をもう一度磨き少しだけ色が落ちましたが、十分に落ちるということはなかったです。あと1ヵ月ほどのことですので、このプラスチックの仮歯で、インプラントが安定するのを待つこととなりました。

仮歯はこのような場合以外にも1本だけの歯に入れたり、部分的な穴を一時的にプラスチックやセメントなどで埋めている場合などいろいろな場合があります。これらの仮のものは様々など状況の中で外れてきたりします。あるいは完全に壊れてしまうことがあります。特に強く噛んだり飴を噛んだり、そのような状況の中で力に耐えられず崩れていくわけです。

普通は仮歯は約1週間程度、次の完全な完成する歯を入れるまでの間のカバーであることが多いです。ですが、長期的に仮歯を使う場合もあるのです。今回の場合もそうです。約2ヶ月ほど仮歯を使うと言う状況であります。

Dentist with digital model of tooth implant in clinic

インプラント治療をする前の抜歯について

2024年3月17日

先日、右上の歯をある患者様は抜きました。右上の歯だけがだんだんぐらぐらしてきて悪く、いつかもうこの歯はダメになると思っていたそうです。

その患者さんは本人の話によると、今までこの歯を2回かぶせ直したことがあるそうです。そうして今まで何とか頑張ってきたのだが、もうかなりぐらぐらするのでもう限界だと思う。これを抜くことになったらどうしようということで抜く前、以前に既にどうすべきかと言う相談を受けていました。そして相談の中で今度これがダメになりそうになったらもうインプラントで行きたいと言うことに話としてはなっていました。

そうこうしているうちにこの本人の気になっている歯の上のかぶせ物だけがある日突然取れたのです。患者様から連絡があり、歯の根っこだけが残っているが、この根っこがどんどん腐って顎が悪くなっていくのではないか、心配だから1度見てほしいとありました。そして急患で来てもらい、お口の中を見ると、やはり上の歯はなく根だけが残っていました。そして治療計画としてはこの根を抜いて、そこに一旦仮歯を入れる。仮歯はその歯を抜いた当日入れる。そのすることによって、歯が全くないと言う期間をできる限り少なくすると言う方法です。

そして歯茎が治った頃インプラントをする。治る期間としては、おそらくおよそ2ヶ月ぐらい後になる。インプラントを入れた後、歯茎や骨に十分なじむ。さらに2ヶ月ほど待って後、上にかぶせものを入れると言う流れとなりました。

もちろんこれはあくまでおおよその流れであり、骨や歯茎の治り状態によっては、その期間はさらに長くなることも考えられます。

そして根を抜いたのですが、その時に抜歯した穴にコラーゲン用の特殊な薬を入れました。薬といってもゲルのようなものです。この薬をなぜ入れるか?それは、歯を抜いたままだと骨や歯茎は多少減っていき、そこのところが抜いたところがくぼんでしまうのです。この凹みを最低限に抑えるためです。理想はもともとあった骨や歯茎のボリュームと同じ位丸くふっくらと膨らんでいる状態になることです。

しかしそのような事はまぁまずあり得ません。20歳の人の歯を抜くのとは状況が違いますから。細胞の再生力などを考えると、どうしてもロスするわけです。そのロスをできる限り抑えるために抜いた直後に特殊なゲルを入れたり、もしくは場合によっては本人の血液を採取して、血中の白血球などの成長因子だけを取り集めた凝縮した自身の活性因子となる凝縮した血液を入れると言う方法もよく行っています。このような方法をPRFと呼んでいます。このPRFを用いた方法は、抜歯する時点でも既にこれをやるべきであると言う判断もありますし、先ほど書いたような薬のゲルを入れると言う方法もあります。インプラント治療する際には、事前に歯を抜いた後にインプラントをするということが決まっていれば計画を立てることが可能です。

ですので、もしインプラントにするかもと言う可能性がある場合には、早めに相談を受け、骨や歯茎が減らないような対策を考えることが得策です。

義歯を初めて入れられる方へ

2024年3月3日

先日初めて入れ歯を入れると言う方がいました。この方は右下の奥歯3本が悪く、そこに歯を抜いてすぐに入れ歯を入れて欲しいということでした。すぐにというのは、歯を抜いてから歯茎が十分に治るのを待つのではなく、可及的早め、すぐにでも入れ歯を入れて、何も奥歯になしと言うのはちょっと噛めないかもしれないので心配だから、すぐにやってほしいと言う希望でした。

そして歯茎がある程度治ってきたら、実はこれは大体約2ヶ月と言う期間になりますが、その奥歯にインプラントの治療をしてほしいと言う希望でした。

そして、この患者さんの歯を抜き、その日のうちに、事前に用意していた特殊な入れ歯をはめ込みました。患者さんにはあなたは今まで1度も入れ歯を使ったことがないので、おそらくこの入れ歯に慣れるのにとても苦労しますよ。すぐに食事ができると言うようなこともおそらくないです。最初は練習だと思ってやってくださいと言うことをお伝えしました。

入れ歯をやったことがない人にとって、入れ歯と言うのはとてもハードルが高いものですこれを例えて言うと足を骨折して、松葉杖をつくことになった。松葉杖は足の代わりだから、その松葉杖を使えばスイスイと歩くことができるのではないか、さらにもともと足で走ることができたので、松葉杖でもうまく使えば松葉杖で走ることができるんじゃないだろうか?そんなことを思う人はいませんよね。

松葉杖を使うとうまく歩くことさえ難しいと多くの人が思うと思います。リハビリに時間がかかるように入れ歯を入れればそれに慣れるのに使いこなすのに時間はかかります。そして前歯があったときのように、充分に噛めるということはなかなか難しいです。

そして、この患者さんは2週間後に約束を取って多少使ってみてどうか、状況を確認すると言うことで来てもらうことになったのですが、1週間たたないうちに連絡が来て、どうしても痛いから見てほしいということでした。

それで患者さんに来てもらい使っている状況を見ると、やはり歯を抜いて直後に入れているために必ずしもいればぴったりとは入らなかったです。歯茎がだんだん治って変化していますので、ぴったりはまっているとこもあれば、逆に隙間だらけ。逆に歯茎が治ってきて当たり始めているところ、それぞれ場所によって差がありました。このような状況で入れ歯をはめ込んでいくために痛いところも出ていたわけです。そしてこの日は入れ歯が当たっているところを削りもう一度何とか入れても痛くないようなところまで調整をしました。

そうしてようやく2週間経った時にもともと来る予定だった日に来てもらい、お口中を見ると、歯茎が大体大まかには治ってきたので、入れ歯のあたりをもう一度確認し、隙間が多いところは材料を埋め、若干当たってくるであろうと思われるところはもう一度透かしました。こうしてまた1ヵ月ほど待って歯茎の治りを見て調整すると言うことになりました。

実際にどの程度入れ歯を使っているのかと言うことも気になり、聞いてみると、最初の1週間は必ず入れていたし、食事の時も頑張って入れていたと。しかしだんだん日が経つにつれて、食事の時にむしろこの入れ歯を入れない方が噛みやすい、歯が痛いわけでは無いのだが、気になって仕方がない。それで入れ歯を外したりして食事をしている時もある。ということでした。

しかし、全くなしと言う状況はもし何かあるといけないので、一応入れ歯を携帯していると言うことでした。

この患者さんのお話は実はよくあることです。入れ歯ははじめての人はなかなか慣れないです。そして慣れてきたとしても、奥は3本だけだと前の方からは見えないので外してたりするのです。そして食事の時だけ入れればいいんじゃないかと言う行動をとる方が多いです。

しかし入れ歯と言うものはたまにしか入れないで、うまく使いこなせるかと言うと、なかなかそういうわけにはいきません。これが入れ歯の悩ましいとこです。すなわち歯が全くない人であればもう入れるしかないので、24時間ほぼ入れてるわけです。そうすると慣れてその生活が成立するわけです。ところが奥歯だけないとか二本ぐらいないとか言う人はまぁいいかと言う行動をとってしまい、いつまでたってもなれない。どっちつかずのことが起きるわけです。

Tooth implantation mockup on a blue background.

インプラントの中ネジが折れた患者様

2024年2月29日

こんにちは。先日ある患者様が来院されたのですが、その方は以前にどこかの医院でやったインプラントの中ネジが折れていました。そしてこの折れたやつをなんとか外すことはできないか?と言うことを申し出られました。どうも以前そのインプラントをやってもらった医院に1度行って相談してみてもらったらしいのですが、これはもうどうすることもできない、このインプラントの周りを削って(骨を削って)インプラントを完全に外して再度インプラントをやり直すことになるかもしれない。ということだったそうです。

実はこの患者様は5年ほど前から当院に通っていらっしゃる方なのですが、当院でも2回ほど既にインプラントを入れています。それで当院の方でこの続きを何とかならないのかと言う相談でした。この相談を初めて受けた日、様々な器具を使って試みたのですが、折れているものを外すことはできなかったです。

インプラントの中ネジが折れるということは、すごく珍しいことではなく、10年経つと10%位には起きるかもしれません。文献的にはそれぐらいのパーセンチと書かれているようです。なぜ折れてしまうのか?それは噛み合わせのバランスが時間とともに変化して、どうしても無理な力が斜めからかかっていたりして、ネジにヒビが入り破折してしまう状況になってしまうのです。そしてこのもしヒビが入ったりして、折れた中ネジを外して、もう一度新しい中ネジを入れることができれば、インプラントをやり直さなくて済むと言う大きなメリットがあります。

これはちょっとわかりにくい話なのですが、何らかの事情でヒビが入ったり折れたりすれば、もう全てそのインプラントを完全に撤去して骨を削ったりするわけです。そして完全になるやり直しです。これはちょっと患者さんにしてみればイメージ的に怖いイメージや大変だなぁと思いますよね。また費用もかかります。ですが、すべてのインプラントが完全に削り外して除去しなければいけないほどヒビが入っているわけではないこともあるのです。それが先に述べた最終的な骨にくっついているインプラントの部分は壊れていないのだが、中間の中ネジ部分が壊れているということが起きている場合です。これがある意味インプラントでとても良い点でもあるわけです。一部の部品を交換すればまだ生き延びていくということですから。

今回もインプラント自体は悪くは無いのだが、上にかぶっている上部のセラミックが壊れていて、かつ中にヒビが入っていたと言う状況なのですですから、もともと昔から入っていたこのインプラントだけを利用して、残りの中ネジや上のセラミックの部分を作り直すことができれば良いわけです。

ところが残念ながら1回目見たときには外せなかったわけです。中ネジが折れた場合にそれを外す様々な特殊なキットがあり、色々と試みたのですが、どうしても外れませんでした。このようなキットは普段使う事はまずありません。というのも当院でもこのキットを使うのは1年に一回あるかないかなのです。普通このキット自体を医院に常に持っていると言うこともある意味珍しいことです。

当院の場合はかなりの数のインプラント治療をして、様々な人からインプラントの相談を受けます。相談と言うのは他院でやったインプラントや海外でインプラントをやったけどと言うような状況から始まる話なので、そのようなインプラントのネジが緩んでいるときに全てが対応できるわけではないですが、多少は役に立つことがあるので用意がしてあります。

現にこのキットで以前に約1年ほど前ですが、中ネジが折れているものを外そうと試みましたが、残念ながら取れませんでした。その代わり違う蓋を作り、何とかそのインプラントを活用することはできるようにはなりました。そのケースは力としては半分ぐらいしかかけられないような状態ですので、必ずしも直せたとは言いません。

このたびの患者さんが2度目に来院されたときに、私なりにもう一度色々と調べてみてこのケースの場合、どうしたらこの壊れた部分を外し、なおかつ新しくキャップを作り直すことができるのかを考えてました。結果、折れた部分は何とか外せました。しかし、新しい中ネジを入れるための溝部分がかなりガタガタになっていることと、どこのメーカーなのかがわからない特殊な構造のインプラントでしたので、オリジナルでキャップを作ることとなりました。

これは、純正品の中ネジを用意することができないということで、強度に若干問題があると言うことです。歯としては、噛むような状態までは持っていく事は可能でしたが、純正品では無いので今後いつかまた壊れるのではないかと言うことを患者さんにもお伝えしています。

インプラントと全身疾患について

2024年2月25日

先日インプラントの治療を希望された患者さんで、私は今、内科とか色々とかかっているが、大丈夫か?と言う質問がありました。インプラントを治療する際、患者さんは多くの場合、内科や整形外科、眼科、耳鼻科、もしくはもっと大きな手術をしたということで大学病院やがんセンターなどいろいろなとこにかかっていると言うことがあります。

ですので、患者さんには今どこか他に今まで病院にかかっているか?と言うことを聞きます。

そしてその様々な病院やクリニックでどのような薬が出されているか、どのような治療や経過となっているかなどのやりとりをします。これはファックスや紙面で行います。このようなやりとりは今後の医療において、さらに一般的になっていくと思われます。それは何もインプラント治療するからと言うわけではなく内科にかかっていて、その先生が整形外科に手紙を書いて確認をする。皮膚科にかかっていて、その先生が外科に手紙を書く。歯科にかかっていて、呼吸器内科に状況を確認する、などです。

これは単に薬がダブっていないか、薬が副作用などで反応しないかなど様々なことを聞く必要もあるのですが、それ以上に例えば、既に内科で何年もかかっていて、様々な血液検査データ等があり、どのような状況かと言う概略が判断できて、歯科治療を行う上でとても便利なわけですし、患者さんにとってとても有益な情報が手に入ることがあるわけです。

例えば、飲み薬なんかでアレルギーがある、あるいは血液検査でデータがあまり安定していないので、侵襲の大きい処置は今しばらく待ったほうがいいなど。他にももっと大掛かりな場合だと、この先入院して手術を行う予定があるので、その際に全身麻酔をするのでお口の中の歯の状態が悪いと、オペ中にいざと言う時に歯が折れたり、それが喉の気管に詰まってしまったりと言うような様々なトラブルが起きないために、お口の中の安全状態を確認したい。あるいは必要なことがあれば、先に治療しておいてほしいなどと言う依頼もあります。

特にインプラントの場合、関係してくるのは、例えば糖尿病などの状態が安定しているのか。血圧がある程度コントロールされているのか。易出血性の薬を使用していて、その薬に関して主治医として何か見解はあるか。

すなわちここはちょっとややこしい話なのですが血液サラサラの薬、ワーファリンなどを飲んでいると、患者さんはよく私たちに言ってきます。そうすると、外科的な処置をするその直前直後に一時的にその血液サラサラの薬を止めて、インプラント手術をやることがあるわけです。ですが、最近のエビデンスでは、それらの薬を止めないまま治療した方が良いし、それは充分可能であると言うようなレポートが増えているわけです。それに準じてオペを行うことが多いのですが、実際にはやはり止めたほうがいいとか止めないでほしいと言う内科の先生などの希望があったりするのです。それらのことを全く無視して連携しないで、治療が一人歩きしていくと言う事は無いのです。

ですので、対診と呼ばれるこのようなお互いの情報交換というのが行われます。現場では紙ベースでのやりとりですが、今後このようなことがコンピュータのクラウド上などで情報共有できるのではないかということも言われています。今現在では薬の情報はある程度共有できるということがわかっています。

各医院にあるコンピュータを用いて、その人の保険証カードを使って、どのような薬が処方されているかなどがわかったりするのです。ですが、現状ではそれをただ見て判断するのではなく、やはり紙ベースやメールファックスなどを用いてお互いに文章でやりとりをしています。というのも、やはりそれだけではちょっとやはり心配と言うこともあり、念のためお互いちょっとしたニュアンスもあるでしょうから、今一度確認しあっているのです。

さて、上記の患者さんに関しては、糖尿病の状況としては数値がだんだん良くなってきているので、数ヶ月、念のため待ってからこちらで確認してからゴーサインを出したいと言う意見が出ましたので、もう一度内科に行っていただき検査データの安定をもう一度だけ確認してからインプラントオペの日取りを予定することとなりました。

糖尿病などの全身疾患とインプラント手術の可否について

2024年2月18日

前回、他院にてインプラント治療は難しいかもしれないと言われた方の話をしました。その方の続きをまたこちらでお話ししていきたいと思います。

その患者さんは糖尿病という病気を持っていて、内科を月一回受診されていたそうです。そして前医の歯科医院では、糖尿病があるとインプラントができないことがあると言う説明を受けたそうです。

当院でインプラント治療する場合、もしその方がどこか病院やクリニック等で治療を受けている場合は、各病院にその病状の確認をするための医療情報連携のための対診書を送って状況を確認しています。もちろん患者さんにその旨伝えてです。そうすると糖尿病の場合、どのような治療を行っている、例えば注射を打っているなどです。

そこで、今どのような状態なのか、数字が良い悪い、安定していないなどそのようなことを教えていただけます。でもちろんそうなのですが、この数字が安定してなくて病状が悪ければもう少し安定するのを待ったほうがいいかもしれないと言う内容のことが書かれていますし、ある一定以下の数値で安定していれば、内科的にはこのまま治療続けるが、特に歯科の方で何か治療してもらっても構わないと言うニュアンスの返答になっています。ヘモグロビンA1 c言う数字がよく出てきます。

この数字が7以下であることが1つの基準であるとよく言われています。それ以上の数字であれば、内科ではかなり生活改善や運動しなさいと言う強い指導があるのではないかと推察します。インプラント治療を行う上では、この数字が5以下などかなり安定していると非常に良いのですが、実際にはそのような人ばかりではありません。7以下である、その他の全身疾患がどのような状況かなど総合的に考えてインプラント治療はできる場合が多いです。あるいは今すぐできなかったとしても、多少経過を見て体の状態が安定していれば治療は可能です。

その時の注意点としては易感染性という言葉があり、糖尿病の状態が良くない場合には感染症になりやすい、すなわちインプラントは外科治療で歯茎を切ったりするので、その時に感染症になりやすいと言うリスクがありますので必ず抗生剤等の薬を飲むなどの併用が必要となり、それを厳守していただきます。また、お口の中の衛生状態も感染と関係がありますので、定期的な歯のクリーニングも術前から受け、きれいな状態をキープしていくことを目指すことになります。

また広い意味で話しますと、リスクとベネフィットと言うことになるかと思います。多かれ少なかれ40代以上であれば内科など何らかのクリニックにかかっている事は多いです。そして全く病気がない完全なる健康体であると言う人も少ないわけです。そういう中で全身状態を出来る限り悪くない状況に持ち込み、あるいは定期的に内科など通っていただき、健康状態をできる限り悪くならないようにキープして様々な歯科治療を進めていくということだと思います。

特に歯科治療でインプラントの治療すると言う事は、これはかなり体を守るという意味があります。しっかり噛めない状態で普段生活をしていると言うことなんですね、歯がない人は。歯がない状態、しっかり噛めない状態で普段生活していればどんどんいろんなところが悪くなっていきます。

食事もしっかり噛めない、そうなればお酒をたくさん飲んでしまったり、柔らかいものや甘いものをたくさん知らず知らず取りすぎてしまったり。またしっかり噛めないので運動もいまいち。しっかり噛み合わせがあれば力がぐっと入り運動もできるし、普段の歩いたり走ったりちょっとした運動でもしっかり体が反応し楽しく生活エンジョイできるわけです。ですので体を守るためにもインプラントはしたほうがいいなと私は思っています。

自分の体の中にしっかりとした噛み合わせがあれば、かなり安定していて、さらに体が老化していくのを止めているのです。アンチエイジングということですね。
そういう意味においてどうするのかということです。

骨は少なくても、インプラントはできるのか?

2024年2月15日

こんにちは。先日ある患者様から私はよその医院でインプラントができないと思う、と言われたけどもどうか?と言う相談を受けました。

その人の話では以前通っていた医院で、あなたは骨が少ない、糖尿病があるなどと言われたそうです。

これに関して、当院での状況、意見などをお伝えしていきたいと思います。

まず骨が少ないと言うことに関してですが、骨が少ない人はたくさんいます。むしろそのような患者様ばかりと考えた方が良いでしょう。骨が充分あるのに、歯がどんどん抜けていくということは、むしろ少ないわけで、歯周病が進んだり、歯ぎしり等で歯茎や、歯茎の下の骨がやられているような状態で、基礎部分となる土台の骨は悪条件になっている場合がほとんどです。

この患者様の場合、上顎左上の部分なのですが、奥歯の骨の厚みが多いところで6ミリ程度、薄いところで3ミリ程度の幅がレントゲンからおおよそ予測がつきました。このレントゲンを見るに骨が少ないので、インプラントはやめておいた方が良いでしょうと言われたのかもしれません。というのもインプラントの長さは大体8ミリから10ミリ位のものが多いのです。そうすると骨の厚みが10ミリを切っている場合には、インプラントはやめた方が良いと言う意見が出てくるかもしれません。

果たしてそうでしょうか?インプラントを治療計画として考える患者様、ある程度悪い状態の人は、実は骨が10ミリある人はほとんどいないと思ってもいいです。特に上顎の場合には4ミリから6ミリ位の骨の厚みの人がとても多いです。日本人の場合です。下顎の場合は10ミリ以上ある人はたくさんいます。

では骨の厚みが4ミリしかないのに、8ミリのインプラントがそこに入るのか?と言う単純な疑問が起きると思います。そうです、不思議ですよね。でもそこにインプラントはうまく入るのです。現状の歯科医療でインプラントを行う場合、骨の厚みが1ミリ2ミリのような状態でもインプラントをやっていることが上顎の場合は多々あります。それは少ない部分を増やしたり、あるいは残っている骨の一部を移動させたりとか様々な技術が進んでいるからです。上顎の場合、骨が少ない事はあまり気にすることではないです。もちろん、どうしても少なすぎて無理ということもごく一部の症例であります。

ただ下顎の場合、骨があまりにも少ない場合には、奥歯にはインプラントができない場合があります。奥歯の場合、少なくとも6ミリ以上骨があることが大切であると考えられます。どうして下顎の場合はそれだけの骨が必要なのか?それは下顎には太い神経や血管が入っているからです。その構造物とぶつかるような位置にはインプラントを入れることができないからです。ただ下顎でも前歯のあたりであればその神経の構造物は無いですので、骨の量に関わらず入れる事は大抵の場合可能です。ちなみに、下顎の前歯の場合は厚みが6ミリということはあまりなく10ミリ以上あることがほとんどです。

以上のことから骨が少ないからできるかできないかと言うのは単純な問題ではないです。むしろ骨が少ない人が圧倒的に多い中で、悪くなっているので、その状況の中でどこにインプラントを入れることができるのか、どこの骨の形を移動させたり、増やしたりしてうまくやるのかなど技術の問題となってきます。ここまでは骨が多いか少ないかと言う話をかけました。

それ以外にも骨の量と別に、骨の問題に関して言えば、骨の質に関しても問題があります。骨が強そうであれば大丈夫だ。骨が弱そうであればダメだと思うかもしれません。しかし、案外そうでもないことがまたこの話をややこしくしています。骨が硬すぎるとうまくいかない場合がありますし、もちろん、もちろん柔らかすぎてうまくいかないと言う場合もあるのです。ですので、骨粗しょう症だからできないとか、そういう単純の話でもないです。むしろ骨粗しょう症で薬を飲んでいるために、骨が硬い人もいると思います。

このようなことからCT等のレントゲンを撮ってよく調べてみて、判断することも起きてきます。一般的にはパノマラと呼ばれるどこの歯科医院にでも大抵あるレントゲンでおおよその事はわかります。

次に糖尿病などの全身疾患に関してのお話をしたいと思います。次回に続きます。

ブリッジにしたほうがいいのか?インプラント、入れ歯の方がいいのか?

2023年11月16日

先日ある患者様から相談を受けました。その患者様は自分はブリッジで治しほうがいいのか、インプラントで治したほうがいいのか、どちらがいいですかと言う質問でした。年齢が75歳とやや高齢者のグループに入っています。

そのため、本人は過去にインプラントをやったことがあるのだけれども、このような年齢でもまだインプラントは大丈夫でしょうか?ということも言われていました。この患者様の左下には3本つながったブリッジ、左上には4本つながったブリッジが入っていました。

まず左下のブリッジですが、3本つながっているという事は、その真ん中の1本だけが歯がないわけです。歯が1本なくて、両隣の2本の歯で橋渡しをして支えるような状態で、最終的な構造として3本分の大きさのブリッジとなっています。このような状態であれば、選択肢としてはブリッジを行う、真ん中の1本だけをインプラントにする、真ん中の1本は部分入れ歯とするというような3種類の選択肢が考えられます。

一般的には第一選択はインプラントになります。そして第二選択としてブリッジと言うふうになると思います。そして最後の3番目の部分入れ歯なのですが、これはその場所だけがどうなっているかではなく全体がどうなっているかによって部分入れ歯にしたほうがいいのか、そうではないのかが決まってくるので単純には言えません。今回の場合は部分入れ歯よりもインプラントかブリッジのどちらかが選択肢としては優れていると考えられました。この左下に関してはどちらでも対応が可能であるので、そして第一選択のインプラントと第二選択のブリッジに関してものすごく大きな差が出るわけではありません。というのも、すでに以前からブリッジが入っていて、両隣の歯は一旦削られているので、もう一度ブリッジを作り直すというのがさほどダメージを与えるわけではないということが言えるからなのです。もしこれが両隣、1度も削ったことがない歯と言うことになれば、かなり事情が違ってきて、第一選択のインプラントと第二選択のブリッジには大きな隔たりがあります。圧倒的にインプラントにしたほうがいいという状況になるのです。

次に左上の4本ブリッジに関してですが、この場所は両隣1本ずつ合計2本の歯が橋渡しの柱の役割をしています。そして真ん中2本分の歯がないという状態です。そうすると2本の歯で4本分の歯の構造を作っているということで、4本分を2本で支えていますから、これは設計としてはやや問題があります。ブリッジは作ろうと思えば、どれだけでも長いものを作ることが可能は可能なのですが、それが果たして長持ちするものなのか強度的にどうなのか、長くすればするほど精度は落ちてくるので、本当にそれで良いのか様々なことを考慮する必要があります。

一方で、どうしてもブリッジにしたいと言う場合もあり、特にこれは患者さんの希望なのですが、どうしてもインプラントは怖いから嫌だ、入れ歯にするのはどうしても嫌だなど、様々な人それぞれの事情と言うものがあります。そういう中においては、やはりよく相談しながら決めていくということが重要になってきます。何が最も優れているかということも確かに大事なのですが、人間の体を治療すると言うことなので、本人的にどう感じているかという気持ちの問題があります。

一方で、歯科医師側からしてみればこうすることがこの人にとっては最も理想的であろうと言う最良の医療があるわけです。これらをよく相談しながらベストではないにしろ、よりベターな選択ができれば及第であると考えます。そういう意味において今回この4本のブリッジに関しては、年齢等考慮すると4本ブリッジでもう一度作り治すというのも選択肢ですし、真ん中2本ないところに2本だけインプラントを入れて治療を進めていくというのも良い選択肢です。

この患者さんに関しては、健康状態は極めて良好で、内科には一応通院されていますが、特に全身疾患があるわけではなく、定期的な通院ですので、年齢が高いからといってインプラントをためらうというような状況ではありませんでした。そして総合的に本人の希望を踏まえて、最終的には左上は日本インプラントを入れて治療を進めていく。左下はブリッジをやり治してみる。ということになりました。

また、附属の話になりますが、これらのことから、実はどのような方向性で治療していくかと言うのは以外に選択肢や考慮しなければいけないことがいろいろあるのです。そうなると、実は、様々なカウンセリングをしたり、他の内科等の病院との連携をしたり、状況を確認したりとやる事は実はたくさんあります。特にカウンセリングなど話に時間をかける事はとても必須で大事です。ですが、多くの患者さんは残念ながらまだそのカウンセリングの重要性に気づいてないことも多いかなと感じることがあります。今現在の歯科の保険診療では、様々な管理、指導料が算定されていきます。悪いからいきなり行ってなんとかしようと言うわけでもなく、定期的にしっかり通って、その中で管理メンテナンス指導を受けながら出来る限り長持ちさせると言う医療の体系になっているわけです。

このことから、保険で管理指導料等が様々な保険点数としてとられていきます。それは3割負担の人で言えば2 、3000円位かかることもあります。そうなると、説明しただけなのに、そんなに費用がかかるんですか?という質問があったり、そのようなイメージを受けられる方もいます。ですが、処置も確かに大切なのですが、その前にある説明や、事前に内科に問い合わせの手紙をしたり、患者さんと相談すると言うところにこそ、重点を置くこともとても意味があるのです。そしてそこに費用がかかるということをよく理解された方が良いと思います。どうしても日本文化の中で、物にはお金をかけるが、形のないものにはお金がかからないと言う勘違いが多いです。しかし、今の時代は、情報や考え方、相談、にこそ価値があると思います。

例えば、テレビのコマーシャルなどでよく出てくる、保険の窓口、と言うものがあると思います。これはいくつもの保険会社を比較検討して、その情報を得た上でどれにするかを選ぶと言うスタイルのお店です。ネットで最も安いものを自分で選ぶことも可能なのですが、実際、統計上は多くの人はこのような、保険の窓口、などのようなサービス店舗に行き、店員と相談してもらい、そして、あーやっぱりこれが自分には合っているのかな、と安心してから生命保険に入ろうとしています。情報や相談、にこそ価値があると言うことです。